初音ミクTRPG「ココロダンジョン」のセッション用に自作したシナリオ「メルト/卑怯戦隊うろたんだー」のシナリオテキストを掲載してみる。
シナリオをお探しの方の利用はご自由にどうぞ。
(改変等もご自由に。利用については自己責任でお願いします。あと作者騙りはやめてくださいね)
※「ココロダンジョン」にある程度慣れた人向けのシナリオとなっています。
※推奨人数はGM含め4名以上です。
実際のプレイ時にはフレーズや脅威名に歌詞を引用するが、インターネット上の公開ではNGなのでその点はご容赦いただきたい。
他のシナリオはこちら
http://yualismemo.blogspot.com/2018/07/trpg.html
◆モチーフ曲
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1715919
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1639267
★ポイントまとめ
・「誰もが知ってるあの曲と思ったら全然違う曲のシナリオだった」という大ネタから始まるギャグシナリオです。
・公募卓に使う場合、モチーフ曲はあらかじめちゃんと伏せておきましょう。
・オフセやボイセなら、NPCのRPは思い切りはっちゃけましょう。ふざけ倒したもの勝ち。
◆NPC
白鳥すず(しらとり すず)
10代半ばほどの女の子。オトナシ①。
誰かと駅前で待ち合わせをしていたところをオトクイに襲われオトナシ化する。
おとなしい性格。
蒼憮ユウジ(そうぶ ゆうじ)
20代前半ほどの男性。オトナシ②。オトダマ使い。
「オトナシの記憶に割り込んで奇襲する」という卑怯な手でオトクイを倒し、
ノイズから報酬を得ようとしていた(実際には逆襲され失敗しかける)。
白鳥すずと面識はない。
子供心を忘れない永遠の男子。 メイン武器はスイカ型の剣「エクスイカバー」。
初音ミク
蒼憮ユウジのオトダマ。
のんびりした性格で、蒼憮ユウジがどんなに卑怯でもあまり気にしない。
紅坂レイ(こうさか れい)
20代半ばほどの女性。非オトダマ使い。
蒼憮ユウジとは「従姉弟くらいの距離感」。
オトクイに襲われて落命した(とPCに思わせているだけで、実際はそんなことはない)。
◆ココロダンジョン
このシナリオでは、クエストに成功するたび、最初に判定を行ったPCと同じ属性のネイロをひとつ増やす。
このシナリオの初期タイムは「3」。
(タイムは「ふたつめのココロダンジョンのエリア01のクエスト後」以降に使えるようになる)
このシナリオではふたつのココロダンジョンを攻略することとなるが、
その間のタイムは引き継ぎとなりリセットや追加は発生しない。
タイムが「0」になった際の特殊な処理はない。
間奏アクションでは「卑怯な休憩」「術式」が行える。
□導入フェイズ
PCたちは人々が行き交う駅構内で思い思いの休日を過ごしている。
ある時PCのうちのひとりが、駅の外に羽の生えた黒い影が飛んでいるのを発見する。
その影を追って、PCたちは駅前の広場に出る。
(PCたちが消極的な場合、オトダマの「あれオトクイだよ、放っておいたらまずいかも」と誘導し、
影を追いかけさせること)
(PCが複数のグループに分かれている場合、「オトクイ発見グループ」とは別のPCに
『青いマフラーをした男性』が「駅の南口(オトクイ襲撃地)ってどっちにある?」と尋ねてもいい。
男性が去った直後、尋ねられたPCのオトダマがオトクイの気配を察知する)
広場では人だかりができており、どうやらそこにいた女の子が
オトクイの襲撃によって気を失っていることがわかる。
彼女の体に触れると、ココロダンジョンへと侵入できる。
侵入前、または侵入直後のタイミングで、活力の決定、倹約判定、アプリの購入を行う。
□エリア01「駅前広場」
PCたちは、先ほどまでいた駅前広場とよく似た場所に立っている。
あたりは無音で、風景は色が失われたように白黒の世界だった。
周りには人々が立っているが、まるで時が止まったように静止している。
そんな広場の中央にある時計台の下に、誰かが立っている。
彼女の名前は「白鳥 すず」
彼女はPCたちが話しかけると、彼女は不安げな顔であたりを見渡す。
「ずっと、ここで待っているの。待ち合わせの約束だから。
でも、いつまでたっても時間が来なくて…」
そう言って彼女が振り返った先には、動かない時計台がある。
このエリアの時間を取り戻すには、オトダマ使いの力が必要なようだ。
▼クエスト「止まった時間を取り戻そう」
判定:【日常】 必要成功度:1以上
※このクエストに失敗しても、黒以外のネイロをランダムにひとつ失う以外のデメリットはない。
即座にこのクエストに再挑戦できる。
また、この時点ではこのクエストの挑戦以外にできることはない。
達成:
ウタの力によって時計はゆっくりと動き出す。
周りにいた人たちもそれにあわせて動き始める。
世界に色が戻っていき、時計塔から音楽が流れ始める。
PCはフレーズを獲得する。また、記憶を垣間見る。
(イベントカットを公開する)
フレーズ:
ピンクのXXXX お花のXXX
さして XXXXX
XXX私は XXXXXX!
記憶:
駅前の時計台で立ち尽くしている、白鳥すずの記憶。
彼女は約束の時間を待っていた。その表情は明るい。
その周りで行き交っていた人々が、にわかに騒ぎ出す。
見上げたすずの視界には、羽の生えた黒い影がこちらを睨んでいた。
影はにやりと笑い、彼女へと襲い掛かる――!
その時、何者かが剣で黒い影に斬りかかる。
オトクイは地面に転がり、PCたちの目の前に青いマフラーをした男性が着地する。
それに呼応して、周囲の風景に色が戻っていく。ココロダンジョンが崩壊を始める。
(彼の名前は「蒼憮 ユウジ」 自称卑怯ブルー。
オトダマのことは「グリーン」と呼んでいる)
「スイカのような見た目の剣(エクスイカバー)」を持ち、オトダマ「初音ミク」を従えていた。
「記憶の中なら手出しできないと思ったか?
俺様の卑怯な奇襲に、そんな法則は通らないぜ!」
(PLの反応次第で描写やRPを挟んでもよい)
地面に転がっていた黒い影が、ブルーの背後でゆっくりと起き上がる。
そして影がブルーに襲い掛かり、ブルーの叫び声とともにPCたちの視界は突如として暗転する。
(これ以降「ふたつめのココロダンジョン」で進行する)
□エリア01「荒野」
気付けばPCたちは、荒野の中央に立っていた。
PCたちからやや離れた位置に、巨大な基地のようなものが建っている。
そばにはブルーとグリーンもいる。
目の前にはオトクイが浮いており、黒いオーラのようなものを纏っている。
「先のような奇襲はもう通用しない。ここで全滅させてやろう」
その声と共に、オトクイがオーラに包まれる。
やがてその中から、巨大な怪物が姿を現す。
(オトクイの本体データを公開する)
身の丈数百㍍に及ぶ巨体の足が、PCを踏み潰そうと迫る。
▼クエスト「巨体の踏み潰しを回避せよ!」
判定:【技術】 必要成功度:2以上
達成:
PCたちは巨体の踏み潰しから逃れることに成功する。
回避のためにナンバーを放とうと歌うオトダマ(グリーン)の歌声によって、
PCたちはフレーズを獲得し、記憶を垣間見る。
脅威①を公開する。
フレーズ:
大きく輝くXX(XXXX)の二文字
あらゆる手をXXXX勝ちにXXXX
記憶:
子供の頃の蒼憮ユウジの記憶。
「オレ、大きくなったらヒーローになるんだ!」
彼はそう言っておもちゃで遊んでいる、活発な子供だ。
彼の一番のお気に入りは「うろたんだー」という戦隊もの。
そのリーダーの「卑怯ブルー」に、彼は憧れていた。
逃走の際、ブルーがPCたちにこう提案してくる。
「あそこに見える基地に行こう。
あの巨大なオトクイを倒す手が、きっとそこにある」
PCが基地に向かって移動すると、エリア02に移動できる。
(このタイミング以降、間奏アクション「術式」「卑怯な休憩」が使えるようになる)
□エリア02「基地ゲート前」
基地の正面ゲートにはオトクイたちが待ち伏せていた。
「待ってたぜオトダマ使いたちィ。
ここを通りたかったら、俺たちを倒しなァ」
オトクイたちがPCたちに襲い掛かる。
▼クエスト「オトクイたちと戦え!」
判定:【愛】 必要成功度:2以上(成功度ボーナスあり)
達成:
その時、PCたちのウタの力に反応して、光の球が現れる。
PCたちがそれを手に取ると、光がひとつの実体を形作る。
それは『ぬこ』だった。
(ブルーは「それは伝説の兵器『ぬこシールド』じゃないか!」と説明してくれる)
「ぐぬぬ…ぬこを盾にするとはなァ…これでは手出しできないィ…」
オトクイたちはじりじりと道を開く。
不意にぬこが鳴きだし、ウタを紡いでいく。
ぬこのウタでフレーズを獲得できる。また、記憶を垣間見る。
脅威②を公開する。
フレーズ:
お約束はXXXX XXXXXXやるのさ
XX誰にも負けたりXXXXよ
記憶:
蒼憮ユウジの目の前で、巨大な影が女性に迫る。
その巨大な足は、無残にも女性を踏み潰す。
巨大な影――オトクイの双眸が、ユウジを睨む。
まだオトダマのいない彼は、オトクイに立ち向かう術を持たない。
ユウジはそこから逃げ出すしかなかった。
(補足:この記憶に出てくる女性の姿は、後に登場する「紅坂レイ」と同じ)
成功度が3以上なら、ぬこの鳴き声に癒されて
PC全員は【生命力】が1D6点回復する。
基地の中に侵入したら、エリア03に移動する。
□エリア03「基地内部」
基地内部は一直線状の通路になっている。
(PCたちが進行を渋った場合、ブルーが「最深部に急ごう」と促してくる)
その時、PCたちに付いてきていたぬこが光になって消える。
それと同時に、通路を埋め尽くすほどのオトクイたちが背後からやってくる。
「ぬこさえいなくなればこっちのものだァ!」
ブルーがPCたちの前に出て、こう告げる。
「俺様なら、やつらを何とかできる卑怯な一手がある。
お前たちのネイロの力、俺様に集めてくれないか」
▼クエスト「ネイロの力を収束させよ!」
判定:【霊力】 必要成功度:0以下(ただしファンブルしていないこと)
(追加条件:ハーモニー判定を2回以上行う)
達成:
PCたちのネイロの力が、ブルーに集まっていく。
突如、ブルーは自分の服(マフラー以外)を脱ぎ捨てる。
「食らえ!必殺……ちくびーーーむ!!」
放たれる二つの光線に、オトクイたちの群れが切り裂かれる。
オトクイが弾けていく音がメロディを紡ぎ、フレーズを獲得できる。
また、記憶を垣間見る。
脅威③を公開する。
フレーズ:
凍りついたXXにXXXXX吹く
記憶:
蒼憮ユウジは、オトダマ「初音ミク」との出会いを果たす。
「面白そうだから、あなたについていくね」
初音ミクはそう言って笑う。対して、ユウジの表情は硬い。
「――これで、あいつの仇を討つことができる」
びーむによって一掃された後も、オトクイたちは次々に侵入してきていた。
ブルーは小型のオトクイを羽交い絞めにして盾にしながらこう叫ぶ。
「ここは俺様に任せて、先に進むんだ!」
PCたち(とグリーン)が先に進んだら、エリア04に移動する。
□エリア04「最深部前」
通路を奥まで進むと、開けた空間に出た。
そこには巨大な防護扉が構えている。
扉の前には赤い服を着た一人の女性が立っている。
その女性は「あら、こんな場所で人に会うとはね」とPCたちに声をかけてくる。
(グリーンが「あの人は紅坂レイっていうの。ブルーは彼女を『レッド』って呼んでた」と教えてもよい)
「ちょうどよかった。この扉が開かなくて困っていたの。
あなたたち、開けるのを手伝ってくれない?」
▼クエスト「防護扉を開け!」
判定:【頭脳】または【武勇】 必要成功度:3以上
達成:
(【頭脳】で判定した場合、扉の前のパネルを操作して開ける。
【武勇】で判定した場合、扉を力ずくで開ける)
PCたちは防護扉を開くことに成功する。
(いずれの場合でも、全員が扉をくぐると扉がひとりでに閉まる)
そこはいくつものモニターとコンピューターの並ぶ司令室だった。
スピーカーからメロディが流れ、PCたちはフレーズを獲得する。
モニターに映し出された映像で、記憶を垣間見る。
脅威④を公開する。
フレーズ:
きれいごとはXXXX 要はXXXXXのさ
XX誰にも止められはXXXX
記憶:
オトクイへの奇襲を成功させたユウジだったが、不意を突かれ逆襲されていた。
首を掴まれ抵抗するユウジが、オトクイにこう吐き捨てる。
「お前は、ここで倒す……どんな卑怯な手を使っても、だ」
オトクイが、それを聞いてこう返す。
「お前の卑怯さには、あのオトダマ使いたちもさぞ呆れているだろうな」
モニターの映像はなおも続く。
「ならばこちらも卑怯な一手を試させてもらう。
きっとこの瞬間は、あのオトダマ使いたちが記憶として見ているだろう」
「オトダマ使いたちよ。貴様らはこんな卑怯なやつのために命を懸けられるのか?」
▼リクエスト「卑怯なオトナシに命を懸けられるか?」
達成(ひとり以上答えられた場合):
「どうやら、お前たちはただでは倒せぬようだ」
オトクイがそう告げると同時に、モニターの映像が途絶える。
直後、司令室のシステムが再起動を始める。
起動音のメロディでPCたちはフレーズを獲得する。
脳裏に記憶がフラッシュバックする。脅威⑤を公開する。
フレーズ:
僕らのXXX今 XXX立ち上がる
卑怯の限りをXXXX XXXX
記憶:
自室で対オトクイの作戦を初音ミクと話すユウジの記憶。
「そのオトクイって、巨大化できるんでしょ? どうやって倒すの?」
その問いに、ユウジは部屋に置かれた棚のほうを見ながら答える。
視線の先には、子供の頃からお気に入りのヒーローのおもちゃがあった。
「俺は、ずっとヒーローに憧れてた。僕らの戦士、うろたんだー。
きっと俺のココロには、ヒーローの秘密基地が、今もあるんじゃないかって。
あのオトクイを倒せる最終兵器は、きっとそこにある」
ユウジは自分の胸を指して、そう笑う。
司令室の横にある扉から、エリア05「格納庫」に行ける。
□エリア05「格納庫」
薄暗い格納庫にPCたちが足を踏み入れた時、上方から何者かが跳んでくる。
PCたちの前に着地したそれは、ブルーだった。
「これが、オトクイを倒す最終兵器『卑怯ロボ』だ!」
その声と共に、暗い格納庫に明かりが灯る。
(イベントカット2を公開)
PCたちの前には、巨大なロボットが3体並んでいた。
(このタイミングで、戦闘の特殊ルールを説明する。
PCたちは話し合い、卑怯ロボに乗り込む3名のPCを決める。
残りのPCはオペレーターとして戦闘に参加する。
オペレーターが1名以下の場合、ブルーがオペレーターとして参加する。)
配役が決まったら、卑怯ロボに乗り込んだ人はロボを発進させ、
空中を飛びながら戦闘する。
オペレーターは司令室に戻り、コンピューターで支援を行う。
戦闘の様子はモニターで見ることができる。
「来い、オトダマ使いたちよ!
その脆い兵器ごと、貴様らを喰らってやろう!」
□決戦フェイズ
この戦闘は、「卑怯ロボ」に乗り込んだPC最大3名のみで行う。
それ以外のPCは「オペレーター」として参加する。
それぞれの概要は以下の通り。
◆卑怯ロボ
通常の戦闘と同じくオトクイと戦闘する。
卑怯ロボに乗っているため、以下の点が通常の戦闘と異なる。
・命中判定を行う際、【武勇】または【技術】で判定を行える。
・命中判定に成功すると、その威力が『+3』される。
・脅威からダメージを受けるとき、そのダメージが『-5』される。
◆オペレーター
基地から遠距離支援を行う。
オトクイからダメージを受けることはない。
また、いずれのパラグラフにも属さない。
・各ラウンドの開始時、分類が「術式」のナンバーを使用できる。
・オペレーターひとりにつき1回まで、
『防御支援』を行うことができる。ルールは以下の通り。
①卑怯ロボ搭乗員が脅威の防御判定を行い、脅威の威力が決定した後、
いずれかの「オペレーター」が【頭脳】または【愛】にストレスを受けると使用できる。
②ストレスを受けた能力値で判定を行う。(ハーモニー不可)
成功すると、脅威の威力を[成功度+1]減らす。
□終了フェイズ
オトクイを撃破すると、その巨体から光が溢れてくる。
流れ出す光の奔流で視界が真っ白になる。
目が覚めると、PCたち・ブルー・グリーンは駅前広場のベンチにいた。
少し離れた位置に白鳥すずの姿もある。
PCたち全員が目を覚ますと、ブルーの元にレッドがやってくる。
「お疲れ。その様子だと、無事オトクイは倒せたみたいね?」
(PCがレッドに「死んでいたはずじゃないの?」と聞いた場合、
ブルーが「そういうことにしといたら協力してくれると思って」と教えてくれる)
(白鳥すずの待ち合わせ相手は今回の登場人物内にはいない。
また、ココロダンジョン内での出来事は覚えていない。
PCたちが事情を説明した場合、PCたちとブルーにお礼を述べてくれる)
ひととおりの話が終わると、ブルーは立ち上がってこう話す。
「さて、予定通りオトクイのデータをノイズに渡しに行くか。
そのために体を張ったんだしな」
そう言って、彼はグリーンとレッドを引き連れて去っていく。
このシナリオをクリアした「初音ミク」が自分のオトダマのPCは、
「メルト」が習得可能になる。
「卑怯戦隊うろたんだー」が習得可能になる。
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