初音ミクTRPG「ココロダンジョン」のセッション用に自作したシナリオ「悔やむと書いてミライ」のシナリオテキストを掲載してみる。
シナリオをお探しの方の利用はご自由にどうぞ。
(改変等もご自由に。利用については自己責任でお願いします。あと作者騙りはやめてくださいね)
実際のプレイ時にはフレーズや脅威名に歌詞を引用するが、インターネット上の公開ではNGなのでその点はご容赦いただきたい。
他のシナリオはこちら
http://yualismemo.blogspot.com/2018/07/trpg.html
◆モチーフ曲
★ポイントまとめ
・「自殺」がテーマのシナリオです。このため非常に人を選びます。
・陰鬱で重い表現が多用されているので、PLによっては耐えられないかもしれません。もしPLが気分を害したら、すぐにセッションを中断しましょう。
・一方で、死生観がしっかりしたPLやPCならば真っ向から楽しめることでしょう。他では見られないほどに濃密なセッションが楽しめます。
このシナリオにはショッキングな表現が含まれます。
セッション中に気分が悪くなったり、呼吸が安定しなくなったりしたら、
無理をせずセッションを中断するよう配慮してください。
□導入フェイズ
ある日、外をオトダマとPCが歩いていた時、
突如オトダマがオトナシの気配を察知する。
セリフサンプル:オトダマ(初音ミク)
「(PC)、聞いて!
この近くに、オトナシがいる」
「しかもそのオトナシ……ココロのウタがだんだん、聴こえなくなってる。
もしかしたら、すでにかなり危ない状態かも」
オトダマに気配を辿ってもらい、着いた先にあったのは古びたアパートだった。
そのアパート前で、同じようにオトナシの気配を探してきた他のPCと合流する。
そのアパートの2階、玄関前にPCたちは辿り着く。
扉には鍵がかかっているが、相当古い扉なのか何度かガチャガチャ回すうちに開いてしまう。
電気もついておらず薄暗い部屋。
ごみで散らかった4畳半の中央に……
……ロープで首を吊るされた、髪の長い女性の人影があった。
オトダマによると、まだココロのウタが聴こえるため死んではいない。
だが、どう見ても事は一刻を争う。
PCがその首吊り人体に触れると……不意に、大きな力に引っ張られてPCたちはその女性がいるはずの方向に飛ばされる。
PCたちは彼女のココロダンジョンに引き込まれてしまったのだ。
PCが目覚めると、地に倒れた体の半分ほどが水に浸かっていた。
辺りは暗く、何があるかよく見えない。
わかるのは、ここがココロダンジョンであるということ。
活力の決定、倹約判定、アプリの購入を行う。
◆ココロダンジョンについて
このシナリオの初期タイムは「4」。
間奏アクションを行うたびに、タイムを1消費する。
間奏アクションでは「休憩」「術式」「交流」を行える。
決戦フェイズ前にタイムが0になった場合、オトナシが消滅する。
□エリア01「暗闇」
何も見えない暗闇。水浸しの空間。
PCたちが途方に暮れていると、近くで何かが落下する「ぽちゃん」という音がした。
PCが近付いて拾うと、それは「大きな蝋燭」だった。
オトダマ曰く、それは持ち主のココロのウタに反応して着火する蝋燭だという。
▼クエスト「蝋燭に火を」
判定:【霊力】 必要成功度;1以上(3以上で追加報酬あり)
失敗:
試行錯誤したが、火は灯らなかった。
タイムを1点失う。このクエストに再挑戦できる。
成功:
火の灯った蝋燭は、およそ蝋燭とは思えない強い光であたりを照らす。
その火の中からウタが聴こえてくる。
フレーズを獲得する。オトナシの記憶を垣間見る。
フレーズ:
いつかXXX出したのに
袖口にXXXXX生涯
XXXXXX灰になれずにいたんだ
記憶:
「……なんで……なんで、お母さんもお父さんも、ソウタも! 苦しんで焼け死ななきゃいけなかったの!?」
私が7歳の頃、火災で両親と弟を失った。放火だった。
犯人は逮捕後に「漫画の真似をしたかった」と供述していたという。
全てを失った私は、叔父一家に引き取られることになる。
脅威①を公開。
成功度が3以上なら、脅威②も公開。
明かりが灯ったことで、足元の水が「ゆっくり一方向に流れている」ことに気付く。
その方向に歩くと、エリア02に移動できる。
□エリア02「穴ぼこ」
PCたちの歩く先には、対岸が蝋燭で照らせないほどの大きな穴が開いていた。
足元の水は、その中へと吸い込まれるように流れている。
穴の先は、蝋燭で照らしてもよく見えない。
先の見えない穴。
そこに飛び込むには、勇気が必要だ。
▼クエスト「穴ぼこに落ちろ」
判定:【武勇】 必要成功度:2以上
失敗:
勇気が足りず、飛び出すことはできなかった。
タイムを1点失い、ベース判定を行ったPCの【活力】を2点減らす。
このクエストに再挑戦できる。
成功:
穴ぼこに向けてPCは飛び出す。
風を切って落下する時、その風切りの音がフレーズとなってPCの耳に届く。
フレーズを獲得する。オトナシの記憶を垣間見る。
フレーズ:
それじゃXXXXどうしてこの世に
XXX未完成な身体に
未だ 心をXXXXXんだ
記憶:
「もう……やめようよ、叔父さん。こんなの……おかしいでしょ」
私が13歳の頃、叔父に強姦された。何度も。何度も。
信頼していた親代わりは、力と欲で私を徹底的に苦しめた。
繰り返し行われる征服に耐えかねて、私は家を出ていった。
脅威③を公開。
PLで相談し、好きなネイロを1つ獲得する。
エリア03に移動する。
□エリア03「穴の底」
飛び込んだPCたちは、穴の底に着地する。
幸い、怪我もなく無事なようだ。
そこは上から落ちる水が雨のように降り注ぐ場所。
そこに、髪の長い女性が座っていた。
その表情はおぼろげで、視線は中空をぼんやり眺めている。
PCたちが近づいても、反応はない。
オトダマたちが、彼女の状況について教えてくれる。
セリフサンプル:オトダマ(初音ミク)
「きっと、オトナシ化が重篤なせいで、ココロのウタをほとんど失ってしまっているんだと思う」
「彼女がここにいるなら、私たちのココロのウタの力で、
彼女に残されたココロのウタを増幅して応急処置できるかもしれない」
▼クエスト「ココロのウタの増幅」
判定:【愛】または【日常】 必要成功度;1以上(PC全員がハーモニーに参加していること)
失敗:
ココロのウタの増幅に失敗した。
タイムを1点失う。このクエストに再挑戦できる。
成功:
ココロのウタの増幅に成功する。
女性が意識を取り戻す。
増幅したココロのウタを通じて、フレーズを聴き取ることができる。
フレーズを獲得する。オトナシの記憶を垣間見る。
フレーズ:
だから一抜けした XXX
XXXX流行り病XXXX愛も
記憶:
私が25歳の頃、同い年の親友を事故で失った。
巨大なトラックが横転して、彼女は私の目の前で、一瞬でトラック下の血溜まりになった。
唯一の心の拠り所だった彼女の葬式会場で、私は思った。
――ああ、あの子はちゃんと死ねて羨ましいな……と。
脅威④を公開。
意識を取り戻した女性は、PCたちと会話ができるようになる。
セリフサンプル:倉田 ミコト
「…………あなたたちが、私を助けてくれたの?
手間、かけてごめんなさい」
「私は……倉田 ミコト。
フリーターを、してるけど……ほとんど、借金で生活してる……ダメな大人」
PCが現実世界での状況に触れると、彼女はなぜか安心したように笑う。
「……そう。私……もうすぐ死ねるんだ。
それを聞いて……安心した」
「もうすぐ、楽になれる……全部、終わる。
それだけが私の救い」
PCが彼女を説得するかどうかで、次の展開を分岐する。
◆倉田ミコトを説得する
「……どうして?」
「私はただ、楽になりたくて……もうすぐ、それが叶うのに。
あなたたちは、どうして私の邪魔をするの?」
▼リクエスト「自殺を止める理由」
※このリクエストには成功条件があります。単に回答できただけでは成功扱いになりません。
倉田ミコトの自死を止める明確な理由が示せれば成功。
逆に、PC自身のエゴや、一般論を述べただけでは失敗になる。
失敗:
「……みんな、そう言うんだ。
そういうの、響かないし……私には関係ないよ」
ミコトのココロには届かなかったようだ。
ストレスを1点受けることで、このリクエストに再挑戦できる。
PC全員が諦めた場合、以下「倉田ミコトを説得しない」に進む。
成功:
「……そう。
なんでかな……こんなに苦しくて、死にたかったはずなのに。
今は、あなたたちの言葉……聞きたい自分がいるんだ」
倉田ミコトは……静かに、泣いていた。
彼女のココロのウタが、自然に回復していくのが感じられた。
フレーズを獲得する。オトナシの記憶を垣間見る。
リクエストに成功したPCは、以下をすべて獲得する。
・自分の同じ属性のネイロを3つ。
・活力を+1D6。
・生命力を+2D6。
フレーズ:
死にたい 消えたいXXXX
XXX命にXXXしないさ
記憶:
27歳の今。なんとなく、麻縄を買ってみた。
それが視界にあるだけで、「いつでも死ねる」という安心感があった。
そしてある日なんとなく……その“輪”の中に飛び込んでみた。
脅威⑤を公開。 →共通へ
◆倉田ミコトを説得しない
PCたちは、暗闇の中に、光る「目」のようなものがあることに気付く。
それもひとつやふたつではなく、無数に。
それは小型のオトクイだった。
オトクイたちは、一斉にPCたちに襲いかかってくる。
▼クエスト「小型オトクイたちを撃退」
判定:【武勇】または【技術】 必要成功度:3以上
失敗:
オトクイの迎撃に失敗する。
PC全員は1D6のダメージを受ける。
→共通へ
成功:
オトクイの迎撃に成功する。
PCたちのココロのウタに共鳴して、フレーズが聴こえてくる。
フレーズを獲得する。オトナシの記憶を垣間見る。
フレーズ:
死にたい 消えたいXXXX
XXX命にXXXしないさ
記憶:
27歳の今。なんとなく、麻縄を買ってみた。
それが視界にあるだけで、「いつでも死ねる」という安心感があった。
そしてある日なんとなく……その“輪”の中に飛び込んでみた。
脅威⑤を公開。
→共通へ
◆共通
「やれやれ、お前たちもご苦労なことだ」
PCたちの上空から、オトクイが姿を現す。
セリフサンプル:オトクイ
「……哀れなものだな。
こんな死にかけのオトナシの中に迷い込むとは」
「まあ良い。ワタシにとってみれば餌が増えて助かる。
お前たちもろとも、そいつを喰らってやる。観念しろ」
決戦フェイズへ移行する。
□決戦フェイズ
□終了フェイズ
オトクイは倒れ、水の中へと溶けていった。
暗闇だけの空間に亀裂が入り、光が差し込む。
ココロダンジョンが崩壊し、PCたちは現実世界へと帰還していく。
エリア03で倉田ミコトを説得し、リクエストに成功している場合のみ展開が分岐する。
◆倉田ミコトを説得し、リクエストに成功した
PCたちは元の部屋に戻ってくる。
部屋の中では変わらず倉田ミコトが吊るされていたが……その時、倉田ミコトが意識を取り戻し、苦しみだす。
PCたちの助けを得て、倉田ミコトは縄から解放される。
首筋に痛々しい痕は残っているが、命に別状はないようだ。
セリフサンプル:倉田ミコト
「げほっ、ごほっ…………はあ、はあ……。
もう少しで、死ぬところだった……のに……」
「……あなたたちのせい、だからね。
なんか説得させられて、その気になっちゃって。
……生きた方がいいのかな、なんて気がしてきて……」
「……まだ、体のあちこちが痛い…………。
ちょっと救急車を呼んでくれない? 私、もう無理……」
そう言い残し、彼女は倒れ込み、眠りにつく。
……彼女が目を覚ますのは、少し先の話。
◆倉田ミコトを説得しなかった、またはリクエストに失敗して諦めた
PCたちは元の部屋に戻ってくる。
部屋の中には「倉田ミコトの死体」が吊るされている。
……もう既に亡くなっているようだ。
セリフサンプル:オトダマ(初音ミク)
「……彼女はこれで、救われたんでしょうか」
「彼女にとってこれが最善なら、私たちにできたことは何かあるのでしょうか?」
このシナリオをクリアした初音ミクが自分のオトダマのPCは、
「悔やむと書いてミライ」が習得可能になる。








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