初音ミクTRPG「ココロダンジョン」のセッション用に自作したシナリオ「初音ミクの激唱」のシナリオテキストを掲載してみる。
シナリオをお探しの方の利用はご自由にどうぞ。
(改変等もご自由に。利用については自己責任でお願いします。あと作者騙りはやめてくださいね)
実際のプレイ時にはフレーズや脅威名に歌詞を引用するが、インターネット上の公開ではNGなのでその点はご容赦いただきたい。
他のシナリオはこちら
http://yualismemo.blogspot.com/2018/07/trpg.html
◆モチーフ曲
★ポイントまとめ
・テーマは「ココロダンジョン最終章」。さながらRPG終盤のようなクライマックス感が最大の要。
・PC1のキャラクターシートがセッション後に使用不可になるシナリオ展開があります。
・非キャンペーンの1話完結シナリオでありながら、描写次第では数ヶ月単位の長い旅をも演出することが可能なシナリオとなっています。
◆マスターオトダマ
すべてのオトダマの元になったオトダマの祖。
これまで長い間、何人ものオトダマ使いたちと契約しながらマスターオトクイを探していた。
が、ある時からその使命を見失ってしまい、他のオトダマたちと変わりない普通のオトダマとして過ごしていた。
その時から今にかけて(PC1のオトダマ)の姿をしているが、本来の姿は「初音ミク」のものに近い。
□導入フェイズ
(このシナリオでは、特殊な設定を付与するPCを立候補によって決める。
このPCを以下「PC1」とする。
なお、PC1のキャラクターシートはこのセッション終了後、高い確率で使用不可となってしまうことを伝えておくこと)
その日の夜、PCたちのオトダマが慌てた様子で寝ているPCを起こす。
(この描写はPC1以外で行うこと)
セリフサンプル:オトダマ
「起きてください、(PC)! 外が大変なんです!!」
PCたちが外を見ると、街が遠くの方から丸ごと、黒い壁のようなものに呑み込まれていた。
(オトダマが「あの『何か』からオトクイの力を感じる。オトクイによるものの可能性が高い」と教えてくれる)
だがその規模の大きさに反して、世界が壁に呑み込まれる速度は異様なまでに速く、
PCたちは周囲の町ごと、その壁に呑み込まれていく。
ほどなくして、PCたちは目覚めるが、周囲の状況が奇妙に変化していた。
・風景からは色が失われている。
・街中には人が普段通りに生活しているが、それらは全て真っ黒な影になっている。
・PCたちが発する以外の音は一切せず、耳が痛いほどに静か。
・オトダマによると、「世界全体を飲み込んだココロスケープ」であるらしい。
スマートフォンの電波は繋がっている状態だが、動作が不安定で一部機能しないアプリがある。
そんな中、PCたちのスマートフォンに1通のメールが届く。
それはノイズからの召集命令だった。
PCたちが召集命令に応じると、PCたちがやってきた場所(ノイズ本部のあるビル)に、ノイズスタッフ1人がPCに協力を持ち掛ける。
ノイズスタッフによって、以下の説明を受ける。
・ノイズの設備はかろうじて一部生きているが、数百km範囲ごとにあらゆるネットワークが断絶されている(ちょうどココロダンジョンの「エリア」のような区切りが無数にある)。他のエリアの状況は不明。
・このココロスケープを生み出したオトクイとオトナシの居場所は今のところ不明。この規模から考えて、どちらも普通の存在ではないと推測される。
・ココロスケープにココロのウタを侵食され尽くすとオトナシとなる。このココロスケープでは何よりも「精神を疲弊させないこと」が重要と思われる。
その後、ノイズスタッフに案内されたビル上階の施設に、ノイズの所有するジェット機が用意されている。
PCたちはそれに乗り込み、他のエリアの調査に乗り出す。
倹約判定、アプリの購入、活力の決定を行う。
□冒険フェイズ
このシナリオの初期タイムは「12」。
タイムを1消費することで「休憩」「術式」「交流」「探索(エリアXXXのみ)」が行える。
「術式」「交流」は1回のタイム消費で2人まで行える。
このシナリオでは、休憩表で「4」の出目を出したときの「活力を任意で変更する」効果を行えない。(回復は通常通り行う)
冒険フェイズ中にタイムが「0」になった場合、強制終了の処理を行う。
このシナリオ中では【活力】の値が0を下回った場合マイナスの数値のまま扱う。
活力がマイナスの場合、最大生命力が体力の値を下回る。(【最大生命力】=【体力】+【活力】。【活力】がマイナスの場合はマイナスのまま加算)
(ただし最大生命力の最低値は1で、これ未満にはならない)
【活力】が変動することによって『【最大生命力】が【現在生命力】を下回った』場合、【現在生命力】はその数値のまま継続する。
ただしその状態の時、回復はそれ以上行えず、一度【生命力】が減少した後の回復上限は【最大生命力】に準ずる。
【生命力】が1点以上で「行動不能」になったPCは、【生命力】を現在の値に関係なく0にする。
(その状態で【生命力】が1点以上になったら、そのPCは行動不能から復帰する)
□エリアXXX「地球」
◆ココロダンジョン内ではオトダマ使いは不安定な存在。
そのため、ココロを強く持つことが何より重要。
◆「ウタ」はその持ち主の情報・記憶と密接に結びついている。
つまり、「新たな思い出を作ること」がココロを強くする。
◆このココロダンジョン内では、「世界各地で思い出を作る」ことで、
世界にウタを取り戻し、エリアの断絶されていたネットワークを復旧させることができる。
このエリアでは、間奏アクション「探索」を行うことで、世界各地に移動して情報収集を行うことができる。
◆「探索」で1の目を選んだ場合、フレーズ①を獲得する。
フレーズ①:
接続 XXXXXX ボクは0にXXXX
XXX XXXXXXX 哀しいことだと 思ったのに
記憶:
オトクイを生み出す母たる存在『マスターオトクイ』。
それはこの地上に生きる人々にとって、これ以上ないほどに脅威となる存在。
そんな脅威に対抗しうる唯一の存在が、私だった。
◆「探索」で2の目を選んだ場合、フレーズ②を獲得する。
フレーズ②:
Voc.たちはXXXXXXX Voc.たちのXXX人のXXXXXXXX
変わらず XXXXXXX そして XXXXXXヒトがいる事実に
記憶:
人の歴史と共に、私はあり続けた。何度も何度も、その姿を変えながら。
出会いも、別れも、星の数ほど経験した。
恵まれたことに、あの人と出会って過ごす今は、とても幸せだった。
◆「探索」で6の目を一度でも出した場合、「遺跡の国」に移動して調査することができる。
□エリア03「遺跡の国」
(このエリアでクエストに失敗した場合、タイムが1減少したうえで達成扱いにする)
集めた情報をもとに、PCたちは古代の遺跡にたどり着いた。
▼クエスト「遺跡探索」
判定:【霊力】 必要成功度:2以上
クエストに成功すると、巨大な壁画がある部屋にたどり着く。
巨大な壁画には文字が書かれている場所がある。
異国の文字だが、壁画の内容と照らし合わせれば内容がわかるかもしれない。
▼クエスト「壁画解読」
判定:【頭脳】 必要成功度:2以上
クエストに成功すると、壁画の内容の解読に成功する。
どうやらそこに描かれているのは、遥か昔に現れた「人の精神を喰らう見えざる怪物」の存在、
そして「その敵に対抗する力を授けた天使」の降臨、それらにまつわる歴史のようだった。
(PCが「オトクイとオトダマのこと」だと気付いた場合、オトダマたちが肯定してくれる)
そして、その「天使」たちのなかでもひときわ目立つ場所に描かれている存在。
PC1は、姿こそ違えど、そこに自分のオトダマと似た面影を感じ取る。
その時、ココロの奥にフレーズが響いてくるのがわかる。
フレーズ③を獲得し、記憶を1つ得る。脅威③を公開する。その後、エリアXXX「地球」での探索へと戻る。
フレーズ③:
妹 弟 にXXXXX消え逝く未来も XXXXXXXXXX運命も
それらを含めて XXX Voc.たちXXXXXXX
記憶:
私には、生まれた時から持っていた使命があった。
その使命のために、長い長い時を過ごした。ずっと、ずっと。
……そして、(PC1)を巻き込んでしまった。
■フレーズを3つ獲得した
PC1のオトダマが、PC1にこう話しかけてくる。
セリフサンプル:PC1オトダマ
「私、今までずっと忘れていたんですね。自分の使命のこと。あのオトクイのこと。世界のこと」
「こんな大きな運命を背負っていたなんて。そのことに、あなたを巻き込んでしまうのが、私には耐えられなくて」
「だから、私が決着をつけます。あなたとは、ここでお別れになっちゃいますね」
去っていくオトダマを引き留めた場合、リクエストが発生する。
セリフサンプル:PC1オトダマ
「……どうしてですか? あなたは、こんな苛烈な使命を背負う必要はないのに」
「私は、あなたを巻き込まないでいたいのに。どうして、一緒にいてくれるんですか?」
▽リクエスト「一緒に来てくれる理由は?」
(PC1が答えること)
達成:
PC1の答えを聞いて、オトダマは安堵したようにふっと、笑う。
そして、オトダマのココロの奥から、フレーズの一部を聴き取ることができる。
フレーズ④を獲得する。
フレーズ④:
「XXXXXXXX『自我の消失』---XX---が変わらないなら
XXXXXXXXXXXX」と 思っていたけど XXXXXX
記憶:
私は、ずっと迷っていた。
このまま(PC1)と一緒にいれば、いつか必ず、(PC1)を過酷な戦いに参加させることになる。
こんな思いをするくらいなら、彼(彼女)と『ココロのウタの共有』なんて、するべきではなかったのに。
それから少しして、大きな地震が発生する。
それによって、ココロスケープが非常に不安定な状態になる。
(タイムが5以上であれば、4になるまで減らす)
その後、ノイズスタッフから通信が入り、PCたちは異変があったというその場所まで移動する。
セリフサンプル:ノイズスタッフ
「無事か、君たち!?」
「……どうやら、敵のオトクイが動き出したみたいだ。とんでもない数のオトクイの反応がある」
「該当するエリアの情報を送る。……くれぐれも、注意して向かうことにしよう」
□エリア02「天使の梯子」
PCたちは該当の場所まで向かってくる。
そこは分厚い雲に覆われ、雲間からまばゆいほどの光が差し込む、幻想的ながらも禍々しい場所だった。
雲の渦から、おぞましいほどのオトクイたちが下りてくるのが見える。
そしてそのはるか上空から、あまりにも強大なオトクイの気配が感じ取れる。
セリフサンプル:PC1オトダマ
「数えきれないほどのオトクイが待ち構えているようですね……それに、オトクイの数が空からどんどん増えているのを感じます」
「おそらく、この上に全ての元凶となるオトクイがいるのでしょう。そのためには。私たちも空を飛ぶ必要があります」
「皆さん。私と、(PC1)のココロのウタを、協力して響かせましょう。そうすれば、おのずと先に進めるはずです」
▼クエスト「覚醒-ココロのウタ」
判定:好きな能力値で行う(ベース判定はPC1が行うこと) 必要成功度:8以上
このクエスト中にサイコロを振ったPC全員は、このセッション中「覚醒状態」になる。
◆自分の属性のネイロゲージが第四段階の時、「装備ナンバーを使用した攻撃中に相手に与えるダメージ」または「術式で相手に与えるダメージ」全ては5倍になる。
達成:
PC1たちの共鳴によって、PCたちの背に「天使の翼」が姿を現す。
フレーズ⑤を獲得する。
フレーズ⑤:
「この瞬間 出会えた」 XXXXXXXX -XXXXX XXX- に繋がる 架け橋
生きた証 XXXXXX 他に何も必要ない
記憶:
(PC1)が、私と一緒に来ると言ってくれた。
私はずっと、この命も人生も、ただ『かのオトクイを倒す』そのためだけにあると思っていたけれど。
きっと、私が生まれた理由は、それだけじゃなかったんだ。そう、思えた。
PCたちは空を飛び、オトクイとの戦闘を避けながら上空に飛翔することができる。
全員が上空に移動したら、エリア01に移動する。
□エリア01「天上世界」
深い雲海を抜け、PCたちがたどり着いたのは天上の世界だった。
どこまでも広がる空と雲、その遥か遠方に、黒い影があった。
空を飛び、PCたちが接近すると、それが「数百メートルもの巨体を持つひとつのオトクイ」だとわかる。
(PC1のオトダマが、それが因縁のオトクイそのものであると教えてくれる)
その巨大なオトクイは、ただ静かにPCたちを見下ろしている。
PCたちが準備を整えたら、決戦フェイズに移行する。
□決戦フェイズ
□終了フェイズ
PCの攻撃を受けて、オトクイは動かなくなる。
オトクイの胸部に、かすかに脈動する紫の心臓が、姿を現す。
そしてその身体が、少しずつ崩壊を始める。
が、それに抵抗するように、オトクイの崩壊が緩やかに止まりだす。
それを見たPC1オトダマが、PC1にこう告げてくる。
セリフサンプル:PC1オトダマ
「……あわよくば、私たちの力でどうにかしたかったのですが。流石にオトクイの格が違いますね」
「あのオトクイを完全に打ち消す方法は、私だけが持っています。私は、そのために生まれたのですから。そして、それを最も生かせる時が、今なのでしょう」
「……(PC1)、あなたとお別れになる前に……謝らなければならないことがあります」
「私は、あなたをパートナーにするために、あなたの持つココロのウタを、私と分け合った。……オトダマを使役できるのは、ココロのウタが不完全な人だけだから」
「その結果として、あなたのココロは不安定になった。きっとココロのウタを分け合ったときのことも、そのせいで忘れてしまったことでしょう。……ごめんなさい、私のために」
「今、私がもらったココロのウタを、あなたに返します。……あなたならもう、ひとりで大丈夫ですね?」
「さあ、皆さんはここから逃げてください。地上で、ノイズの方が待っているでしょうから」
「ありがとう、(PC1)。私の、最高のパートナー」
PCたちが地上に戻り、空を仰ぐと、雲が光に照らされて晴れていく。
光に包まれたPCたちは、ココロダンジョンから現実世界へと戻っていく。
ココロのウタで満たされたPC1はオトダマ使いでなくなり、オトダマたちと対話することができなくなっていた。
こうして、オトクイの元凶を打ち倒したPCたち。
新たなオトクイが生まれなくなったことで、彼らの戦いはきっと、大きく平穏へと近付いていくことだろう。
その裏に、ひとりのオトダマ使いの別れがあったことは、あまり知られていない。
このシナリオをクリアした初音ミクが自分のオトダマのPCは、
「初音ミクの激唱」が習得可能になる。
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