シナリオをお探しの方の利用はご自由にどうぞ。
(改変等もご自由に。利用については自己責任でお願いします。あと作者騙りはやめてくださいね)
実際のプレイ時にはフレーズや脅威名に歌詞を引用するが、インターネット上の公開ではNGなのでその点はご容赦いただきたい。
他のシナリオはこちら
http://yualismemo.blogspot.com/2018/07/trpg.html
◆モチーフ曲
★ポイントまとめ
・「手をつなぐ・助ける」をキーワードに据えたシナリオです。「手をつないで空を飛ぶ」「手のないオトクイ」など。
・GMとしてプレイする際はこれらの描写は丁寧に行いましょう。
・NPC2名の設定や演出意図など、見た目以上に事前の読み込みが重要となっています。GM中級者以上向け。
このシナリオでは、PCの平均レベルは2~3、PC3人を想定しています。
◆NPC
・津原シノ(つのはら しの)
アキの姉。先天性オトダマ使いで、オトダマは初音ミク。
あるとき、妹のアキがオトナシであることに気付いた彼女は、
自らのココロのウタをアキに少しずつ差し出すことで
彼女のオトナシ化を食い止めようとしていた。
オトダマの力によって、オトダマと手をつないでいる間は「空を飛ぶ」ことができる。
控えめな性格で、妹を溺愛している。
・津原アキ(つのはら あき)
シノの妹。非オトダマ使い。歳はシノのひとつ下。
自らがオトナシであることには気付いておらず、
「自分と違ってオトダマと活躍できる姉が羨ましい」
「けれどココロのウタがあるため姉にそのことを口にはできない」と思っている。
姉から差し出されたココロのウタによって、
姉と同じ飛行能力を使用できる。(オトダマに触れている間、空を飛べる)
活発な性格で、姉を信頼している。
・孤飄(デゾレイン)
アキのココロダンジョンに潜んでいるオトクイ。
人間の少年のような姿をしており、両腕がない。
空中を自在に浮遊することができ、PCたちからは逃げ回るように飛ぶ。
誰かと協力することのできる「人間」に嫉妬している。
◆ココロダンジョン
□導入フェイズ
PCたちはそれぞれ図書館に来ていた。
PCが本棚の高い位置にある本を取ろうとしたときに、NPC「津原 シノ」が通りかかる。
彼女の隣にはオトダマ「初音ミク」がおり、オトダマ使いであることが見て取れる。
(PCの中に学生がいる場合、同じ学校ということにしてもよい。
「あなた、うちの生徒だよね? 私は『津原 シノ』。よろしくね」)
「本が取れなくて困ってるの?
任せて、私が取ってくるから」
そう言って彼女はミクの手を取り、すっと浮遊していく。
そうして目的の本を取って、PCのもとへと降りてくる。
「はい、どうぞ。
…今のはね、ちょっとした特技なんだ。
私のココロのウタの力を、この子が引き出してくれるの」
そこに、「津原 アキ」が通りかかる。
「シノ姉、何してるの?」
「あなたもオトダマ使いなんだー。
あたしは妹の『津原 アキ』だよ。よろしく!」
彼女らと他愛ない話をしていると、
突然あたりが黒い霧で包まれる。
(この時、PC全員は互いの顔が見える距離にいる。
PCのうち何人かが、「黒い手がシノに伸びる光景」を目にする)
視界が暗転し、PCたちが気が付くと、
そこは先ほどまでいた図書館とよく似た場所だった。
ただしその図書館には屋根がなく、満天の星空が広がって見えた。
周囲には他のPCと、津原アキがいる。
「ここって…まさか、ココロダンジョン?
初めて見た…!」
(アキはシノからココロダンジョンのことを何度か聞いたことがある)
(『ココロダンジョンに入る直前のシノ』について言及すると、
「じゃあ、ここはシノ姉のココロダンジョンってこと?
そんな…早く助けないと!」とPCを急かす)
活力の決定・倹約判定・アプリの購入を行う。
◆ココロダンジョンについて
このシナリオの初期タイムは「PC数+2」。
タイムを1消費することで、間奏アクションを行える。
間奏アクションでは「休憩」「術式」「交流」「調査」を行える。
「調査」ではPC1人が【頭脳】で判定を行える。
判定に成功すると、情報カード「津原シノの行方」の裏を見ることができる。
□エリア01「図書館」
PCたちがいるのは先ほどまでいた図書館とよく似た場所だった。
ただし、出口の扉が閉まっているようで、自動ドアが反応しない。
扉の横に制御パネルがあり、これを操作すれば出られるかもしれない。
▼クエスト「自動ドアを修復」
判定:【技術】 必要成功度:1以上
達成:
制御パネルを操作すると、軽快な電子音と共にいくつかのランプが点灯する。
その電子音によってPCたちはフレーズを獲得する。
記憶を垣間見る。脅威①を公開する。
フレーズ:
きっとXXXだよ XXXXX僕らXX逢えるから
記憶:
広いショッピングモールで、幼い頃のアキは迷子になっていた。
「シノねえ…どこ……?」
必死で泣くのを我慢するアキ。見上げたアキの視界で、シノと目が合った。
「アキ! 見つけた!」
シノは彼女のもとに降り立つ。ミクから手を放し、走る。
何気ない、姉妹の日常だった。
未達成:
自動ドアの修復に失敗する。
操作パネルは火を噴きだし、PC全員は【生命力】を1D6点失う。
自動ドアを無理やりこじ開けることで外に脱出できる。
(情報カード「津原シノの行方」を開示する。
以降、この情報カードに対して「調査」が行える)
□エリア02「流星群の街」
図書館の外は、流星群が降り注ぐ夜の街だった。
PCたち以外の人は見える範囲にはいない。
津原アキが「シノ姉のことも気になるけど、オトクイも探さないと」
とPCたちに提案してくる。
PCがそれを承諾するか、またはPCがそれを提案すると、
オトダマの力を借りてクエストに挑戦できる。
▼クエスト「オトクイの気配を探す」
判定:【霊力】 必要成功度:2以上
達成:
オトダマたちのウタに呼応するように、
街全体が少しずつ音楽を発し始める。
そうして紡がれるフレーズをPCたちは獲得し、記憶を垣間見る。
脅威②を公開する。
フレーズ:
ささやかなXXXXXXかける
XXXXで僕らはXXXのさ!
記憶:
シノに差し出された手を、アキはそっと握る。
シノは反対の手で、ミクと手を繋ぐ。
「――えいっ」
シノブの掛け声とともに、3人の体が、ふわりと宙に浮かぶ。
アキは驚いて笑い、それにつられて、シノとミクも笑った。
周囲に響くメロディに混ざって、
ノイズのような、耳障りな音がかすかに聞こえる。
オトダマが「きっとそれが、オトクイの気配かも」と教えてくれる。
その音の方向には、小高い丘があった。
エリア03に移動できる。
未達成:
怪しい気配を発見することはできなかった。
PCたちは街をしらみつぶしに探すことで、ようやくオトクイを発見する。
タイムを「1」失う。エリア03に移動する。
□エリア03「展望広場」
丘の上は広場になっており、街が広く見渡せる。
頭上に広がる流星群も、街中で見るよりいっそう綺麗に見ることができる。
その広場の中央に、誰かの影があった。
その人影は少年のような姿をしており、服からは両腕が出ていない。
オトダマが、「あれがオトクイだ」と教えてくれる。
「やあ。もう来たんだ。
おとなしくウタを喰われていればいいものを、さ」
(セリフサンプル:
「オトダマ使い…どこに行ってもうじゃうじゃと現れてくれるな。
数ばかり多くて、ほんと面倒だ」
「僕たちオトクイが、どれだけの痛みを抱えて生きているか。
お前たちには分からないだろうな」)
オトクイの背後に黒いもやが広がる。
その中から、何かがふたつ現れる。それは、黒い『手』だった。
その『手』は、それぞれ「津原シノ」と「初音ミク」を掴んでいた。
(ふたりとも意識はあるがひどく憔悴している。こちらから呼びかけても返事をしない。
ふたりが生きていることはオトダマやオトクイが教えてくれる)
(津原アキセリフサンプル:
「こいつ…よくもシノ姉を!
私がオトダマ使いだったら、すぐにでもやっつけるのに…!」)
■情報カード「津原シノの行方」を公開した
PCが「オトナシはアキの方だ」と告げると、アキは動揺する。
それを見てオトクイはかすかに笑う。
「その通りさ、滑稽だよね。
自分がずっと前からオトナシになっていたってのに。
そのことをずっと隠していたんだから」
対照的にアキは俯く。
「……。」
ぼんやりとフレーズが聞こえてくる。アキの中からだ。
記憶を垣間見る。脅威④を公開する。
フレーズ:
XXが解ける XXXX
XXでいてよ 手を 手を
記憶:
寝室で眠るアキの手を、シノは優しく取る。
「…ミク、いつものお願い」
ミクは少しだけ表情を曇らせ、手をかざす。
シノの持つココロのウタが、アキに分け与えられていた。
「…アキ。あなたは、私が守るから」
アキはそれを、寝たふりをしたまま見ていた。
「オトダマ使いってさ、どこに行っても集団で邪魔してくるんだよね。
…君たちさあ。
なんで見ず知らずのやつらと協力なんかできるんだ?」
▼リクエスト「見知らぬ人とどうして協力できる?」
達成:
「…ふうん。やっぱり、オトダマ使いって理解できないな」
オトクイはそう言い捨てる。
リクエストに答えたPCたちの体がうっすらと光り、
ココロの奥に直接フレーズが響く。
記憶を垣間見、脅威③を公開する。
フレーズ:
考える
XXXXいつまで 隠してXXXXX
記憶:
「いつからそうだったのかは、もう思い出せない。
気付いた時には、あの子はココロのウタが欠けていた。
このまま放っておいたら、いつオトナシになるかわからない。
そうなれば、この子の命が危ない――!」
「オトダマ使いたち。
威勢がいいのは結構だけど、僕はお前たちの相手をするほど暇じゃないんだ。
それじゃあな」
オトクイはそう言い残して、はるか上空へと飛び去って行く。
■エリア03のクエストをクリアし、情報カード「津原シノの行方」が公開済み
アキはPCたちにこう告げる。
「シノ姉はずっと、あたしがオトナシ化しないように、
ココロのウタを分け与えてくれてた。
それをあなたたちに分ければ、みんなで空を飛ぶことだってできるかも」
▼クエスト「ささやかな魔法」
判定:好きな能力値で判定できる
必要成功度:1以上 ※PC全員が判定を1回以上行うこと
達成:
アキからPCたちのオトダマに、ココロのウタが伝わっていく。
オトダマを通じて、PCたちのココロにも直接、そのウタが響いてくる。
PCたちはフレーズを獲得し、記憶を垣間見る。
脅威⑤を公開する。
フレーズ:
XXXだってXXない
XXを取り戻すだけさ
記憶:
「ねえ、アキ。
あなたがもし、危険な目にあったら。私が、必ず助けてあげるから」
アキはその言葉の意味が分からなかった。
だけど、それが何かの冗談じゃないことだけは、シノの目を見ればわかった。
「ありがと、シノ姉。
じゃあ、シノ姉があぶない目にあったら、あたしが助けるからね」
「…よし。
これで、オトクイと戦うくらいの時間なら、一緒に空を飛べると思う」
PCたちはこのダンジョン内で、『オトダマと手を繋いでいる間』、
空を飛ぶことができる。
空を飛んでオトクイを追いかければ、決戦フェイズに移行できる。
未達成:
ウタの伝達がうまくいかなかったようだ。
PCの間に微妙な空気が流れる。
ランダムにネイロをふたつ減らす。
このクエストに再挑戦できる。
□決戦フェイズ
PCたちが流星群の空に飛び立つと、
そこにオトクイがいるのを発見する。
「ふん。追ってきたってわけ。
邪魔な能力だったから捕まえたのに、無駄だったよ」
「まあいいや。
ここで全員まとめてやっつければいいんだしさ」
オトクイはいくつもの『手』を空中に生み出し、PCたちに襲い掛かってきた。
□終了フェイズ
オトクイはPCの攻撃によって撃破される。
オトクイが黒い霧になって消滅すると、解放されたシノとミクが落下していく。
PCたちがそれを助け出すことに成功すると、
周囲が光りだし、ココロダンジョンから現実へと戻っていく。
戻ってきた場所は、元いた図書館だった。
アキはシノに抱えられて目を覚ますが、何があったかわからない様子だった。
「…あれ、なんであたし、こんなとこで寝てたんだろ」
シノの方はというと、安心したように笑い、
そしてPCたちにお礼を言う。
「ありがとう。
あなたたちがいなかったら、アキは助けられなかった」
「今度、何かお礼をさせてね。
この街の空を一緒に飛んでみるとか、どう?」
このシナリオをクリアした初音ミクが自分のオトダマのPCは、
「テオ」が習得可能になる。
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