2018年1月2日火曜日

初音ミクTRPG「ココロダンジョン」自作シナリオ『脱法ロック』テキスト全文



初音ミクTRPG「ココロダンジョン」のセッション用に自作したシナリオ「脱法ロック」のシナリオテキストを掲載してみる。
シナリオをお探しの方の利用はご自由にどうぞ。
(改変等もご自由に。利用については自己責任でお願いします。あと作者騙りはやめてくださいね)
※「ココロダンジョン」にある程度慣れた人向けのシナリオとなっています。

実際のプレイ時にはフレーズや脅威名に歌詞を引用するが、インターネット上の公開ではNGなのでその点はご容赦いただきたい。


他のシナリオはこちら
http://yualismemo.blogspot.com/2018/07/trpg.html

◆モチーフ曲
http://www.nicovideo.jp/watch/sm29081909

 

★ポイントまとめ

PCの設定を一時的に強制改変するというアクの強いギミックがあります。このためTRPGにある程度慣れたPLのいる卓に適しています。

・また上記の特性から、継続PCでのプレイがより楽しいシナリオです。新たな一面を見出しましょう。

・シナリオに登場するワードのほとんどが原曲MVに登場しています。プレイ後はぜひMVを視聴してみましょう。

 

◆ココロダンジョン

以下の戦闘データは「PC平均レベル3」「PC4人」の想定で設定されています。
必要なら、人数やレベルに応じてオトクイの生命力を下げるなどの調整を施しましょう。

 □導入フェイズ

オトナシは「荒川ユウイチ」。いずれかのPCと同じ学校に通う学生。
明るくクラスの中心人物的な存在だが、ここ数日学校に来ていないらしい。
(学校に通っているPCはその放課後、「最近流行っている楽しい新曲」の噂を耳にする)
学校からの帰り道、他のPCを含めた全員は、
スクランブル交差点のモニターに映し出された、
「シュマップ」というグループの新曲のMVを目にする。
それを見た直後、PCたちは「散らかった暗い部屋」に移る。
オトダマが、ココロダンジョンの中に飛ばされたことを教えてくれる。
活力の決定、倹約判定、アプリの購入を行う。

 □エリア01「暗い部屋」

この部屋にいる間、タイムを消費して休憩表を使用した時、
その出目を「6」に変更しても良い。

 ◆導入フェイズ直後

PCたちの目の前にはテレビがあり、DVDレコーダーがつながっている。
(「DVDレコーダー」は重要な情報のため描写を省略しないこと)
PCたちのオトダマが、このテレビが怪しいと教えてくれる。
PCたちがテレビの電源を入れると、その画面が「ドキュメンタリー番組」のものに変わる。
その直後、PCたちの視界が七色の光に包まれる。
どこからか声が聞こえてくる。
「さあ トリップしよう 愛すべき世界へ」
その声で、PCたちはフレーズを獲得する。また、記憶を垣間見る。
「オトクイの本体データ(偽)」を公開する。
(※偽データであることそのものはPCに公開しないこと)


フレーズ:
さあ トリップXXX 愛すXX世界へ

記憶:
ある日、いつもの学校に荒川ユウイチが登校してきた。
クラスメイト達は皆、驚いたように目を丸くして荒川ユウイチを見ていたが、
荒川ユウイチが楽しく話しかけるのを見て、すぐに皆仲良くなった。

  ⇒エリア02に移動する。

 ◆エリア02クリア後

シナリオの進行状況によって、PCが切り替えられるチャンネルが増えていく。
PCたちが画面に触れると、切り替えたチャンネルに対応するエリアに移動できる。
これは各エリアに置かれているテレビでも同様。

・ドキュメンタリー番組(最初から移動可能)
・特撮番組(エリア02クリア以降)
・通販番組(エリア03クリア以降)
・バラエティ番組(脱法ロック使用以降)

また、エリア01の「暗い部屋」にはいつでも移動できる。

 ◆「脱法ロック」入手後

PCが『「脱法ロック」をレコーダーで再生する』ことを宣言した場合、
テレビに「シュマップ」というグループの新曲のMVが流れる。
PCたちがそれを眺めていると、誰かがPC(ランダムで決める)の肩を叩く。
PCたちが振り返ったその時、PCたちの視界が歪む。
また同時に、以下のことを目にする。
・背後に立っていたのは「シュマップ」の5人と全く同じ容姿だったこと。
 そのさらに後方に、黒い何かが立っていたこと。
・PCたちは「シュマップ」に「ディスクのような何か」を押し当てられたこと。

暗転していく視界の中、テレビから響く音楽の「医学的根拠のあるサビ」が
PCの脳内にリフレインする。
その音で、PCたちはフレーズを獲得する。
また、そのフレーズを聞いたPC全員が記憶を垣間見る。
脅威③とオトクイデータ(真)を公開する。


フレーズ:
プライドはXXX捨てろ 捨てろ
それがXXXXXの礼法なんですわ

記憶:
荒川ユウイチは、自分の部屋で一人、悩んでいた。
彼は長く学校を休んでいた。
自分は暗い人間だ。
このままではいけない。
変わらなければいけない。
ぐるぐると自分に暗示をかけるように、頭の中で繰り返す。
そうして、彼はヘッドホンをする。
そこから、大音量で音楽が流れだす。
その音に、彼は溺れていく。
明日からはきっと、生まれ変わった自分になるのだと。


この時の影響で、PCたちの心に大きな変化が生じる。
ここで、各PCはダイスを1回振り、
その内容に従って以降のRP内容を変更する。(このセッションの間だけ)
また、荒川ユウイチの性格も変化する。
「あーびっくりした。何だったんだろうな今の。
 ま、いいや。それより今すっげぇ気分がいいな!
 なんか生まれ変わった気分だぜ!」

その後、PCたちのもとにノイズのような何かが響いてくる。
「ノイズ、聴こえる……!!」
そのノイズはPCたち( 全 員 )に質問を投げかけてくる。
「人生に満足していますか?どうなんですか?」

  ▼リクエスト「人生に満足していますか?どうなんですか?」

達成(誰か一人でも答えられた場合):
ノイズはその答えを聞いて、
「そうか。君たちなら、オトクイに挑めるだろう」
という声を残していった。
その後、PCたちの足元に一本のテープレコーダーが落ちてくる。
それを再生すると、音楽が流れだし、フレーズを獲得できる。
また、そのフレーズを聞いたPC全員が記憶を垣間見る。
脅威②を公開する。


フレーズ:
愛想XXXいらない いらない
XXXXを起こせ 起こせ

記憶:
学校で楽しそうに話す荒川ユウイチの記憶。
楽しそうに喋っていた彼は、不意にその輪から離れ、洗面所へと歩く。
冷たい水で顔を洗った彼の眼は、ひどく濁った色をしていた。
めまいがする気がした。
これが、僕の理想だったんだろうか。

これ以降、テレビの移動先に「バラエティ番組」が追加される。


 □エリア02「強烈大陸」(ドキュメンタリー番組)

PCたちを覆う光が弱まり、目を覚ますと、そこはある部屋の中だった。
PCたちは皆、縄で縛られて身動きが取れない状態になっていた。
部屋の中には同じく縄で縛られた「イケメン男性(脱法王子)」と、オトナシ「荒川 ユウイチ」、
そしてPCたちから少し離れた位置に「忍者の男性」がいる。
荒川ユウイチはPCたちから目を背けていて、何かを言いたそうにしていますが喋らない。
対して王子は穏やかに笑っていて、
「ははは、落ち着いてるように見えるでしょう?
 僕たちは今、忍者に軟禁されてるんですよ。
 彼、青梅に住んでるらしいです」
「あなたたちはオトクイを探しに来たのでしょう?
 僕たちを助けてくれれば、その手助けをします」
まだこちらに気付いていない忍者に奇襲し、彼らを救出しよう。

  ▼クエスト「ニンジャにアンブッシュ」

判定:【技術】 必要成功度:2以上(成功度ボーナスあり)

達成:
忍者はPCたちの奇襲を受け、煙幕を放って消えた。
その場は「パンダさん組」と書かれた頭巾が残される。
その頭巾にはスマホが入っている。また、成功度が2より高い場合、
PC全員分の[成功度-2]枚分のコインも入っている。
PCの誰かがスマホに触れるか、ある程度の時間が経つと、
スマホに着信が入る。その着信音でフレーズを獲得できる。
また、そのフレーズを聞いたPC全員が記憶を垣間見る。
脅威⑤を公開する。

フレーズ:
そんなのはどうでもいい さらにXXXXXXくれ

記憶:
深夜遅く。
荒川ユウイチは、自分の部屋でテレビを見ていた。
テレビではどこかのアイドルグループが歌い、踊っていた。
その熱いミュージックに溺れている間だけは、
現実を忘れられると、彼は思っていた。
やがて彼は布団にくるまり、泥のように眠った。

未達成:
PCたちは奇襲に失敗する。
忍者に逆襲され、PC全員は1D6点の生命力を失う。
PCたちが気が付くと、忍者は姿を消していた。


クエスト後共通:
PCたちが王子と荒川ユウイチの縄をほどくと、ふたりはPCにお礼を言う。(荒川ユウイチは少し臆病に)
王子はPCたちに、以下の情報を教えてくれる。
「ここに来る時、テレビの中に入ってきたでしょう?
 このココロダンジョンは、あのテレビによっていくつかのエリアが繋がっているんです。
 チャンネルを切り替えて、『特撮番組』のチャンネルに入ってみてください。
 そこにいる人たちが、オトクイに至る手がかりを持っているでしょう」
うつむいたままの荒川ユウイチは、PCたちに歩み寄り、
「ここ、僕のココロダンジョンなんですよね?
 僕も、あなたたちについていきます。
 僕にも協力させてください。
 力には、なれないかもしれませんが……」
以降、荒川ユウイチがPCたちに同行する。

部屋の隅に置いてあるテレビで、別の番組かエリア01に移動できる。
(必要に応じて、PCのスマートフォンを振動させ、番組表を提示する)

 □エリア03「ウェルカム座ファッキンサーカス」(特撮番組)

PCたちが「特撮番組」の中に入ると、そこは荒野の大地だった。
PCたちの目の前には、奇妙な格好をした4人の男女が立っている。
「俺はリーダーの『遊撃のハヤブサ』!」
「アタシは『思念のアカネ』よ」
「ぼくちんは『透視のセキレイ』だぜ~」
「……『雷撃のシジマ』」
「4人揃って『ウェルカム座ファッキンサーカス』だ!」
4人の名乗りと同時に、背後で爆発が起きる。
「見たところ、オトクイを探していると見える。
 俺たちに力を示せば、情報を教えてやろう!」
遊撃のハヤブサがそう言った直後、あの偉人が遂に姿を表す!(怪しい光とともに)

「アイツラと一戦やろうっテ? ならワタシが力を貸すヨ。
 ワタシは『ドウニデモ=ナ=レ』ダ。ワタシのカレーを食べるとイイ」
ドウニデモ=ナ=レはPCたちに夏野菜カレー(脱法とロックのカレー)をふるまう。
(PCたちで話し合ったうえで食べることを拒否してもよい)
カレーを食べた場合、PCたちは不思議な力に目覚め『寿司ビーム』が撃てるようになる。

準備が整い次第、ウェルカム座ファッキンサーカスと戦闘する。

  ▼クエスト「戦え!ウェルカム座ファッキンサーカス」

判定:【武勇】 必要成功度:4以上
※PCたちがこのエリアで『寿司ビーム』を習得していると、
 このクエスト中に振るダイスの数は、[5-本来振るダイスの数]になる。
 この補正はハーモニー中も有効になる。

達成:
ウェルカム座ファッキンサーカスに勝利した。
その様子を見ていた、ギターがうまいことで有名な「エソック・プラクトソ」が、
いい戦いを見せてもらったお礼にとギターを弾いてくれる。
その音色で、PCたちはフレーズを獲得する。
また、そのフレーズを聞いたPC全員が記憶を垣間見る。
脅威④を公開する。

フレーズ:
グッモーニンミスタークレイジー XXXXXXX

記憶:
学校で楽しそうに話す荒川ユウイチの記憶。
彼はひたすらに明るく、とにかくよく喋る、クラスの中心人物だった。
少しテンションが過剰な時もあったが、
それでも、「あの頃」よりは、ずっと良かった。
そう、彼自身は思い込んでいる。

ウェルカム座ファッキンサーカスは勝利したPCたちに以下のことを教えてくれる。
「オトクイに迫る手掛かりは『通販番組』の中にある。
 俺たちにはその意味が分からないが、君たちならきっと行くべき場所がわかるんじゃないか?」
遠くに置かれたテレビから、別の番組かエリア01に移動できる。

未達成:
ウェルカム座ファッキンサーカスに敗北する。
PC全員は生命力を3点(固定)失う。
このクエストに再挑戦できる。
また、カレーを食べていない場合、食べに行くことができる。


 □エリア04「肉体派イルミナティのテレビショッピング」(通販番組)

PCたちが「通販番組」の中に入ると、そこは番組のスタジオ。
通販番組のナレーターが「脱法ロック」の宣伝をしてくる。
「肩こり・猫背・腰の痛み。これ一枚で全部治ります!」
「お子様やペットも安心です! 安全で清潔感があります!」
「おひとついかがですか? 今から10分以内ならお代はいただきません!」
PCがそれを欲しいと答えると、
特別に「脱法ロック」と書かれた1枚のディスクをプレゼントしてくれる。

ただし、ディスク単体では何も起きないようだ。
どこかで使い方を模索する必要がある。
スタジオの端に置かれたテレビから、別の番組かエリア01に移動できる。


 □エリア05「奇跡の霊峰 そのとき特派員が見たものとは」(バラエティ番組)

PCたちが「バラエティ番組」の中に入ると、そこは吹雪の雪山だった。
その場にいた特派員が、
「ここは霊峰ダッポー・ロックだ。
 危険な雪山だから、一般人は来ないほうがいいぞ」
と言って、仲間の特派員のもとへ歩いていく。
しかし、PCのオトダマが、「近くにオトクイの気配があります」と教えてくれる。
先もよく見えないほどの吹雪を何とかしないと、移動することもままならないようだ。

  ▼クエスト「吹雪を晴らすウタ」

判定:【霊力】 必要成功度:3以上(成功度ボーナスあり)

達成:
PCたちのウタの力で、吹雪を晴らすことに成功した。
「なんてことだ…これは奇跡だ…!」
特派員は口々にそう言って歓喜に沸いた。
[成功度÷2(小数点以下切捨て)]の数まで、好きなネイロを獲得できる。
吹雪が晴れたことで、雪山の頂上へ向かう道がわかるようになる。
歩いて上ると、頂上まであと少しというところで、
「最北端の村でマラカスを振る民族」の村にたどり着く。
晴れた村の広場では民族がマラカスを振って踊っている。
そのマラカスの音色で、PCたちはフレーズを獲得する。
また、そのフレーズを聞いたPC全員が記憶を垣間見る。
脅威①を公開する。

フレーズ:
体裁XXX知らない 知らない
ボリュームXXX下げない 下げない

記憶:
無理して明るくふるまう「作り出した自分」と、
つつがなくおとなしく過ごしたい「本来の自分」のギャップに、
荒川ユウイチは苦しんでいた。
心が悲鳴を上げ続けていたある日、
彼は窓の外に「何か」を見た気がした。
彼がそれを確かめる前に、彼は気を失った。

未達成:
吹雪は一向に止まない。
黒のネイロを1つ増やす。
このクエストに再挑戦できる。


◆決戦フェイズ

山の頂上まで登ると、開けた大地にステージができていた。
そこに「シュマップ」の5人が立っている。
その背後に、黒い影のようなものが浮いているのが見える。
「あらら。せっかく君たちを楽しいカンジにしてあげたのに。
 やっつけに来ちゃうんだ。残念だなぁ」
影は「シュマップ」を操り、戦闘を仕掛けてくる。


◆終了フェイズ
オトクイを撃退したPCたち。
オトクイと、それによって作られた「シュマップ」が霧のようになって消えていく。
そうして、視界が白く染まる。
気づけば、PCたちと荒川ユウイチは元のスクランブル交差点にいた。
(PCたちと荒川ユウイチの性格は元に戻っている。記憶も引き継いでいる)
彼は遠慮がちに、PCたちにお礼を言う。
「……助けてくれて、ありがとう」
「僕、こんな自分が嫌で。変わりたかったんだ。
 そのせいで、自分を苦しめて。迷惑もかけた」
「僕、無理に自分を作るのはやめるよ。
 無理をしない、そのままの自分で過ごせるように頑張る」
「もう、きみたちに迷惑をかけなくて済むように」


このシナリオをクリアした鏡音レンが自分のオトダマのPCは、
「脱法ロック」が習得可能になる。
※「自分がダイスを振った数」=判定に参加した回数で判定する。
 同時に振ったダイスの数は参照しない。
 例えば、判定とハーモニーに1回ずつ参加した場合、2回と数える。


※2018年4月30日追記
・オトクイのデータを更新。以下のデータを使用してもよい。
 (この戦闘データはPCの平均レベル2、PC3人を想定しています) 
 
 
 


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