2017年9月23日土曜日

初音ミクTRPG「ココロダンジョン」自作シナリオ『ドリームレス・ドリームス』テキスト全文



初音ミクTRPG「ココロダンジョン」のセッション用に自作したシナリオ「ドリームレス・ドリームス」のシナリオテキストを掲載してみる。
シナリオをお探しの方の利用はご自由にどうぞ。
(改変等もご自由に。利用については自己責任でお願いします。あと作者騙りはやめてくださいね)

実際のプレイ時にはフレーズや脅威名に歌詞を引用するが、インターネット上の公開ではNGなのでその点はご容赦いただきたい。


他のシナリオはこちら
http://yualismemo.blogspot.com/2018/07/trpg.html


◆モチーフ曲
http://www.nicovideo.jp/watch/sm31165275


 ★ポイントまとめ

・オトナシの幼少期を模したNPCとの交流が主軸です。RPが好きなPL、PCに感情移入しやすいPLなどのいる卓に最適。

・全体的にやさしく温かい雰囲気で構成されているので、PC同士の交流も図りやすくなっています。

・あまり能動的に行動をしないPCがいる場合、NPCの側から呼びかけるなどして参加を促すこともできます。

 

◆ココロダンジョン

 □導入フェイズ

ある昼下がり、PCたちは『ノイズ』から、喫茶店にメールで呼び出されていた。
呼ばれた店に入ると、ひとりのスーツ姿の男が手を振って呼ぶ。
「初めまして、かな。僕は神崎マモル。よろしくね。
 『ノイズ』のオペレーター…つまり、君たち『オトダマ使い』に、
 オトクイを倒す依頼を出すのが仕事さ」
「僕のおごりでいいから、何か頼んでくれていいよ。
 大事な話ではあるけど、硬くならなくていい」
「僕はオトダマ使いじゃないから、オトダマを見ることはできないけど。
 君たちには見えるんだったね。そこにオトダマはいるのかい?
 いるなら、一緒に聞いてほしい」
神崎は鞄から1枚の紙を取り出し、テーブル中央に置いた。
その紙には、高校生の女の子の写真と、情報が書かれていた。
「そこに写っているのが、今回のオトクイの被害者だ。
 名前は『夢沢ユイ』。近所に住む高校生だ」
「もう4日ほど、目を覚まさず眠り続けているそうだ」
「奇妙なことに、彼女がオトクイに襲われたところは誰も見ていない。
 この1週間、自室から一歩も出ていないのに、だ。抵抗した痕跡もない」
「彼女の知り合いにはオトダマ使いがいなくてね。だから、君たちに頼みたい」
「今も自室のベッドで寝ているだろう。案内する」

話が終わると、神崎とPCたちは店を出て、車でユイの家に向かう。
住宅街に建つ2階建ての一軒家。
事前に話が通っているらしく、出迎えたユイの母親はすんなりとPCたちを通す。
神崎は2階の部屋の扉を軽くノックし、部屋に入る。
「失礼する」
PCたちがそれに続く。ぬいぐるみがやや多い、いたって普通の学生の部屋。
そのベッドでは、パジャマを着て眠ったままの夢沢ユイがいる。
「出発の前に準備がいるだろう。アプリを買っていくといい」
「彼女のココロダンジョンに侵入し、オトクイを倒してくるんだ。頼んだよ」

 □ダンジョンについて

ゲーム開始時のタイムは、PCの人数によらず「3」で固定。
クエストの挑戦中以外なら、PCはタイムを1消費することでいつでも「間奏」を行える。
間奏では、休憩と術式が行える。

このココロダンジョンでは、侵入直後はエリア01に移動する。
エリア01のクエスト達成後は、以下のエリア01~05を自由に行き来し、各クエストに自由に挑戦できる。
PC間で相談し、どのエリアに行くか決めてよい。
ただし、エリア05だけは、条件を満たさない限り暗闇に包まれていて、クエストに挑戦できない。

また、各クエストは未達成の場合、再挑戦や後回しが可能。
達成したクエストには再挑戦はできない。

※以下、オトクイのデータはPCが2人の場合のもの。
 PCの平均レベル想定は1。
 PCが3人の場合、脅威1・2・3の威力に+1し、本体の生命力に+10する。

★以下のイベントは、特定の条件を満たすと自動的に発生する。

  ▼タイムが「0」になり、エリア01のクエストが未達成の場合

窓の外で、ゆっくりと太陽が沈んでいく。
外は夜の暗闇に包まれていた。
その時不意に、部屋の明かりがぶつっと乱暴に消え、あたりは完全な暗闇と化した。
気が付くと、そこは元いた部屋の中だった。
夢沢ユイは、相変わらず目を覚ましていない。
「……おかえり。その様子だと、オトクイは倒せなかったんだね?」
神崎は困ったようにそう諭した。

タイムを「3」に回復し、再びエリア01のクエストに挑戦できる。

  ▼タイムが「0」になり、エリア01のクエストを達成済みで、エリア02~04のクエストのいずれかが未達成の場合

夜も深まって行く中、PCたちの前を歩いていたむーちゃんが急に声を上げる。
「あたし、行かなきゃ。あの山のてっぺんに」
それだけを残して、どこかへ走り去っていく。
あっという間に、むーちゃんは見えなくなり、後には静けさが残された。

以降、エリア02~04のクエストに挑戦できなくなる。
また、エリア05のクエストに挑戦できるようになる。

  ▼エリア01~04のクエストをすべて達成した場合

夜も深まって行く中、PCたちの前を歩いていたむーちゃんが振り返る。
手にしたウサギのぬいぐるみに顔をうずめながら、ぽつりと言う。
「ありがとう。あたしとあそんでくれて」
どこからか暖かい風が吹き、PC全員の生命力を1D6点回復する。
また、黒以外のすべてのネイロをひとつ増やす。
「もうひとつだけ、行きたいばしょがあるの。
 いっしょに来てくれる?」

PCが承諾した場合、PCたちはむーちゃんの後について山頂まで移動する。

以降、エリア05のクエストに挑戦できるようになる。
また、タイムが「0」になっても上のイベントが起こらなくなる。

 □エリア01「むーちゃんの家」

目が覚めると、そこは先ほどまでいた部屋と、よく似た部屋の中だった。
あたりはこどものおもちゃで溢れかえっていて、部屋の隅にはベッドがある。
ベッドには7歳ほどの小さな女の子が、寝息を立てて眠っていた。
部屋の窓や扉は、固く閉ざされていて開けることができない。
時間は夕刻のようで、既にほとんど陽が沈みかけていた。
まずはこの女の子に、このダンジョンについて聞く必要がありそうだ。

  ▼クエスト「女の子を起こそう」

判定:【日常】 必要成功度:1以上

達成:
PCにやさしくゆすられ、女の子はゆっくりと目を開ける。
のんびり起き上がり、のびをしたあと、眠そうな目でPCたちを眺める。
「おにいちゃん(おねえちゃん)たち、だれ?」

挨拶が終わると、女の子も名乗った。
「あたし、みんなからは『むーちゃん』ってよばれてるの。
 おにいちゃんたちも、そうよんでね」
そう言って、むーちゃんはPCたちと、オトダマに笑ってみせる。
むーちゃんはベットから飛び出すと、床にあったぬいぐるみを拾う。
そして扉の前に行き、PCたちを振り返ってこう言った。
「あたし、おにいちゃんたちとあそびたいな。
 行きたいところが、いっぱいあるの」

PCが承諾したら、女の子は扉を開ける。
開いた扉から、外の音楽が聞こえてくる。
PCたちはフレーズを手に入れる。

フレーズ:

それがXXXXXXXXだとしよう
XXXXXXXXばいい

記憶:
高校の教室で、窓の外を眺めるユイ。
いつもの青空が広がっている。それを眺めて、ため息をつく。
彼女の視界の外で、クラスメイト達が悪態をついていた。
何も変わらない、いつもの日常。
それが、たまらなく厭だった。

達成時、脅威1を公開。


◆さめXXゆめ
 突然、背後からクマの腕が振り下ろされる。遅れて痛みがPCを襲う。
 レベル1/白/攻撃
 霊力
 パワー3/威力1/耐久度15

ふと窓を見ると、いつしか日は沈んでおり、外には暗い夜の街が広がっていた。
以降、他のエリアへ移動できるようになる。
以下の地図を公開し、PCが自由に移動先を決定し探索できる。


未達成:
女の子は目を覚まさない。
かといって、窓や扉を開けることもできず、この部屋から出られなかった。
途方に暮れるPCたち。
タイムを1点失う。
また、この判定に再挑戦することができる。

 □エリア02「街」

多くのビルが並ぶ街頭にやってきたPCたち。
町は静まり返り、最低限の街灯だけが通りを照らしていた。
「せっかくみんなで来たのに。さびしいなぁ」
むーちゃんはそう言って俯く。
町が静かなのは、何か理由があるのだろうか?

  ▼クエスト「静まる街の理由」

判定:【霊力】 必要成功度:1以上

オトダマが耳を澄ますと、かすかに何かが聞こえてきた。
ざあざあという、ノイズのような音。
オトダマがその方向にウタで攻撃すると、電柱から小さな機械の箱が落ちてきた。
機械が地面に衝突して砕けると同時に、街がぱあっと明るくなる。
成功度2以上なら、『成功度-1』D6のコインを獲得。
どこかの店から音楽が流れてきて、フレーズを獲得する。

フレーズ:

ひとりぼXXX選XXXXの
XXXたモノXXX

記憶:
中学生のユイの記憶。
ユイはまわりに流されるまま、学年で最も大きな女子グループにくっついていた。
常に誰かの陰に隠れて過ごす中学校の生活。
憧れていたものと全く違う光景に、心の中で繰り返す。
こんなはずじゃなかったのに、と。

達成時、脅威2を公開。
◆そXもXXるよ
 目の前のイヌがPCを指さす。それに反応するように、PCは遠くに吹き飛ばされる。
 レベル1/青/攻撃
 頭脳
 パワー3/威力1/耐久度10
 【衝撃】GMは、この脅威の攻撃でダメージを受けたPCを、パラグラフ5に移動させることができる。

むーちゃんはスキップしながら、街を進んでいく。
「あたし、だれかとまちに出るの、大好き。
 だれかといっしょなら、それだけで楽しいから」
そう言って、むーちゃんは笑う。
それからPCたちは、ウインドウショッピングをしたり、
ゲームセンターに行ったりと、楽しい時間を過ごした。

以降、この街のショップでアプリの購入が可能になる。

未達成:
異常な気配は感じられない。
不気味な静けさと夜の暗さで、あたりは暗澹とした雰囲気になっていた。
タイムを1点失う。また、黒のネイロをひとつ増やす。
この判定に再挑戦するか、他のエリアに移動するか選べる。

 □エリア03「遊園地」

観覧車に、ジェットコースターに、メリーゴーランド。
いろんなアトラクションが詰まった遊園地に、PCたちは来ていた。
しかし、真っ暗な遊園地には、廃墟にも似たうら寂しさがあった。
今にも泣きそうな顔で震えるむーちゃん。
遊園地の端には、発電機のような大きな機械がある。
これを操作すれば、遊園地に通電することができそうだ。

  ▼クエスト「遊園地を起動」

判定:【技術】 必要成功度:3以上

発電機は轟音を上げて動き出す。
街灯が順に点いていき、アトラクションが輝きだし、
最後に遠くの観覧車が七色のグラデーションを描いた。
スピーカーが楽しげなBGMを奏でる。
PCたちはそのフレーズを獲得する。

フレーズ:
XX損XXでもXXXすか
XXX愛X貰XXすか

記憶:
高校生のユイの記憶。
友達のいないユイは、落ちこぼれ一歩手前の生徒だった。
誰かに評価されることだってなかった。
自分だって、子供のころは幸せだったのに。
……今更、そんなことを思ったって、無駄なのに。

達成時、脅威3を公開。
◆優XX愛
 大きなネコに抱きしめられる。優しくもふもふした感覚は、じわじわと苦しみに変わっていく。
 レベル1/緑/攻撃
 日常
 パワー3/威力1/耐久度10
 【猪突猛進】この脅威の上にいるPC全員を攻撃する。
 【大暴れ】この脅威の上にPCがいないと、この脅威の【威力】が2高いものとして扱う。

きらきらと輝く遊園地に、むーちゃんの表情も明るかった。
「ねぇねぇ、あそぼうよ! みんなで!」
言うが早いか、むーちゃんはぬいぐるみを振り回して駆け出して行った。
つられてPCたちは、誰もいない遊園地を遊びまわった。
気分が高揚し、好きなネイロをふたつ増やす。

未達成:
発電機の操作に失敗した。
しばらく発電機を操作していたが、突然飛び散った火花が生傷を作る。
生命力を1D6点失う。また、タイムを1点失う。
この判定に再挑戦するか、他のエリアに移動するか選べる。


 □エリア04「山頂への道」

山肌に作られた階段を、PCとむーちゃんは歩いていた。
階段には時折鳥居がかけられ、眼下には町が一望できる。
(エリア02・03のクエストを先にクリアしていると、明かりの輝く街や遊園地が望める)
先を歩いていたむーちゃんが、ふっと振り返った。
少しだけ、不安を浮かべた顔をして。手にしたぬいぐるみを強く握った。
「ねぇ、おにいちゃんたち。
 こどものころの夢って、なんだった?」

  ▼リクエスト「子供の頃の夢」

達成:
「おにいちゃんたちにも、夢ってあったんだね」
むーちゃんはその場で、くるっと背中を向ける。
「あたしにもあるよ。夢。
 ……あった、かな」
どこか影の差す声だった。
「だから、あたしは」
その先を、強い光と音が遮る。
それは、打ち上げ花火だった。
夜空にいくつも打ちあがる花火と共に、どこからか聞こえてくる音楽があった。
それは、ウタのフレーズだった。

フレーズ:

どうXXXXXX人間XXX夢XXXますか

記憶:
小学生のユイの記憶。
クラスメイトと他愛ない会話で笑いあっている。
「あたし、はやく大人になりたいな。
 きっと、大人のあたしは空だってとべる。まほうだってつかえちゃうの」
そう言って、大人の自分に夢を馳せる、どこにでもいる、普通の女の子。
浮かれてくるりと回って見せるユイに、クラスメイト達もつられて笑う。
誰かが、こう言った。
「今日もゴキゲンだね。むーちゃん」

垣間見た記憶にいた、小学生の夢沢ユイ。
その姿は、目の前にいるむーちゃんと……そっくりだった。
PCたちはしばらく、打ちあがる花火と、それに釘付けになるむーちゃんを見ていた。


達成時、脅威4を公開。

◆夢X終XX
 大勢で取り囲まれ、一気に飛び掛かってくる。痛みよりも強い疲労感が、立っているのを困難にする。
 レベル1/緑/術式
 技術
 パワー3/威力0/耐久度10
 【仲間割れ】黒のネイロを現在のラウンド数と同じだけ増やす。
 【魔弾】PC全員に『1D6+3点』のダメージを与える。

未達成:
「ゴメンね、へんなこと聞いちゃって」
むーちゃんはばつが悪そうに、そっぽを向く。
微妙な空気が、あたりを包む。
タイムを1点失う。
取り繕ってリクエストに再挑戦するか、他のエリアに移動するか選べる。

 □エリア05「山頂」

★このエリアのクエストに挑戦できない場合

山頂まで階段を登ってきたPCたち。
しかし深い夜の暗闇で、周囲は何も見えない。

(PCたちはこのエリアで、引き返す以外の行動がとれない。
 また、スマートフォンなどであたりを照らそうとしても、なぜか周囲は明るくならない)

★このエリアのクエストに挑戦できる場合(タイムが「0」である、またはエリア01~04のクエストをすべて達成した)

 ★エリア01~04のクエストをすべて達成した

むーちゃんの後について、山頂まで登ってきたPCたち。
あたりは一面の暗闇で、何も見えない。
眼下には、明かりのともる街と遊園地が広がる。
その時、街の奥からまばゆい光が差した。日の出だった。
朝焼けを纏った綺麗な朱色の光が、藍色の夜空を貫く。
その光で、山頂の広場も照らされ、周りが見えるようになる。
広場の中央では、巨大な動物のぬいぐるみが山のように連なっていた。
その中央、祭壇のように高くなった台で……夢沢ユイが眠っていた。
むーちゃんはユイのもとへと歩いていき、その隣に座り込む。
持っていたぬいぐるみの中から、きれいな装飾が施された、小さな箱を取り出した。
箱のふたを開くと、穏やかな音色がやさしく響く。オルゴールの、子守歌だった。
響く音色で、フレーズを獲得する。

フレーズ:

XXX続きX愛XXXXX

記憶:
今よりほんの少し前の、ユイの記憶。
ベッドの中で、子供の頃の、夢見がちですべてが輝いていた自分を思い出す。
懐かしさと切なさに、涙が出そうになるのをこらえた。
どうして私は、こんなに辛い今を、生きているんだろう。
その時、ココロの中の、子供の自分が……自分の想像とは無関係に、笑った気がした。
それきり、ユイは目覚めなかった。
ずっとずっと、夢の中で、夢を見ていた。

脅威5を公開。
◆夢XXき
 響いてくるオルゴールの音色によって、意識が遠のく。幸せな夢の中に、一歩落ちかける。
 レベル2/白/術式
 愛
 パワー4/威力0/耐久度12
 【速攻:愛】この脅威は、【愛】がB以下のPCより先に行動する。
 【呪い】PC全員が、「ファンブル表」を一度使用する。
 【堕落】その戦闘の間、PC全員は、黒以外のネイロを1増やすたび、自分の【生命力】が1点減少する。

⇒『共通』に移行する

 ★タイムが「0」になった

山頂まで登ってきたPCたち。
あたりは一面の暗闇で、何も見えない。
その時、どこからかまばゆい光が差した。
朝焼けを纏った綺麗な朱色の光が、藍色の夜空を貫く。
その光で、山頂の広場も照らされ、周りが見えるようになる。
広場の中央に、むーちゃんがこちらに背を向けて立っていた。
その視線の先には、巨大な動物のぬいぐるみが山のように連なっていた。
その中央、祭壇のように高くなった台で……夢沢ユイが眠っていた。
むーちゃんはユイのもとへと歩いていき、その隣に座り込む。

⇒『共通』に移行する


  ★共通

むーちゃんはぬいぐるみを抱いて、ユイに寄り添うように丸くなる。
そのまま目を閉じ、やがてすやすやと寝息を立て始めた。
突然、むーちゃんの体から青白い炎が立ちのぼる。
それに反応するように、周囲に積まれたぬいぐるみのいくつかが、意志を持って動き出す。
それらがPCに襲い掛かった。むーちゃんは、オトクイだったのだ。

 □決戦フェイズ

◆オトクイ「徒夢(リィンシュナー)」
 子供の姿をしたオトクイ。意志を持った、動物のぬいぐるみをいくつも従えている。
 レベル3/白
 パワー3/生命力40
 【青い炎】本体が受けるダメージを2点減少する。
 【夢へのいざない】ラウンドの終了時に、PC全員は【生命力】が1D6点減少する。


 □終了フェイズ

決戦フェイズで敗北した場合:

周囲からゆっくりと、光が失われていく。
PCたちは立っていることも、目を開けていることもできなくなる。
オトダマが必死に呼びかけるが、言葉の意味が分からなくなっていく。
強烈な眠気に、すべての感覚が奪われていく。
そこに、いやにはっきりと、むーちゃんの声が響いてくる。
「いっしょにあそぼ。すっと。ずっと。この夢の中で」
最後に残されたわずかな力で、PCは抵抗を試みる。

PC全員が、悪夢表(212ページ)を一度使用する。
その際、「1」の内容を以下に変更する。(発生する内容そのものは変更前と同じ)
『オトクイの生み出す夢が、徐々に輪郭を表す。
 PCは夢の中に、少しづつ飲みこまれようとしていた。
 好きな能力値で判定を行う。
 失敗するとあなたのキャラクターは、オトナシとなり、二度と冒険に参加できない。
 永遠に夢の中で、ユイとともに夢を見続ける』

エピローグ:
動くぬいぐるみたちが淡く光りだし、消えていく。
むーちゃんから立ちのぼる青白い炎も、徐々に消えようとしていた。
むーちゃんはユイに寄り添う体勢のまま、…泣いていた。
その体は、手足の先から少しずつ、黒く染まっていく。
泣き声に反応するように、ずっと眠っていたユイが、目を覚ます。
彼女はむーちゃんの頭を、やさしく撫でる。
それに満足したように、むーちゃんは表情を綻ばせ、……灰になって、消えていった。

 ★エリア05のクエストが未達成

しばらく、広場を静寂が支配した。
そして唐突に、世界は赤い光に飲み込まれた。
しばらくして気が付くと、そこはユイの部屋だった。
⇒『共通』に移行する

 ★エリア05のクエストを達成した

後には、むーちゃんの置いたオルゴールの音色が残される。
その音色が少しずつ遅くなっていき、やがて完全に、止まった。
それを合図に、世界が赤い光に飲み込まれる。
しばらくして気が付くと、そこはユイの部屋だった。
⇒『共通』に移行する

  ★共通

現実へと帰還したPCとユイを、神崎は迎える。
「おかえり。よくやってくれたよ、みんな」
神崎はほっとしたような顔で、そう言った。
対して、ユイの表情は複雑だった。
「助けてくれた……のよね。ありがとう」
彼女はぽつりと、自分の思いを打ち明ける。
「わたしのココロの中にはずっと、子供の頃のわたしが棲んでた。
 ……それが怪物になっちゃうなんて。笑えない話ね」
「でも、あの子は……優しい子だったと思うの。
 一緒に隣で眠ってくれた。わたしに、夢を見せるためだったのかな、って」
「ねぇ、子供のわたしと、君たちが仲良くしてたみたいに。
 『今のわたし』も……友達に、なれるかな?」



 ※2018年3月24日追記
・オトクイのデータを更新。以下のデータを使用してもよい。
 (この戦闘データはPCの平均レベル2を想定しています)

・ナンバーのデータを追加。終了後、以下のナンバーを習得可能にしてよい。



1 件のコメント:

  1. PC+MPCの2人で、「夢から入るココロスケープ」「オトダマ使いたちも子供になる(中身はそのまま)」「むーちゃんと絵本の中に飛び込む」「エリア5に『リクエスト:さめないゆめをみたくはないかい?』を追加」などなどの改変を加えました!
    懐かしくて暖かい夢だけど、起きよう!現実を生きよう!みたいな流れのRPになって、楽しかったです。
    ありがとうございます、そしておはようございます。

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