初音ミクTRPG「ココロダンジョン」のセッション用に自作したシナリオ「悪魔の踊り方」のシナリオテキストを掲載してみる。
シナリオをお探しの方の利用はご自由にどうぞ。
(改変等もご自由に。利用については自己責任でお願いします。あと作者騙りはやめてくださいね)
実際のプレイ時にはフレーズや脅威名に歌詞を引用するが、インターネット上の公開ではNGなのでその点はご容赦いただきたい。
他のシナリオはこちら
http://yualismemo.blogspot.com/2018/07/trpg.html
◆モチーフ曲
★ポイントまとめ
・「オトナシを救う」というこのゲームの根本の在り方を問うシナリオです。
・セッションの展開によってはPCが犯罪に手を染める描写が有り得ます。その場合、エンディングの描写でフォローしましょう。
・展開によって結末が大きく分岐しますが、どちらの場合でもはっきり大団円とは言えないでしょう。そこに何を思うかはPL次第。
このシナリオはフィクションです。
登場する人物・団体・事件・用語等は実在のものとはいっさい関係ありません。
また、このシナリオは犯罪行為を推奨するものではありません。あらかじめご了承ください。
□導入フェイズ
PCたちはノイズの指名によって日時を指定されたうえで招集される。
(PCが学生の場合、学校へ休日扱いにする旨の通達がなされる。社会人の場合、会社側から休暇を命じられる)
はじめノイズの事務所に集められたPCたちは、その後豪華なリムジンに乗せられ、どこかの大きなビルへと通される。
通された応接室で待っていたのは、スーツに身を包んだ初老の男性だった。
PCたちはその男性と向かい合う形で、テーブルを挟んで着席する。
彼は「塚宮
塚宮財閥はこの国の財閥としては5本の指に入る巨大グループで、その傘下に「ノイズ」の支援を行っている企業がいくつも名を連ねている。
つまるところ、ノイズの出資元のような存在である。
(以上の説明はノイズスタッフから説明を行う。PCの中に社会に詳しい人物がいれば、あらかじめ知っていたことにしてもよい)
セリフサンプル:ノイズスタッフ
「こちら、「塚宮 ゴウゾウ」会長。塚宮財閥の現・会長です」
「塚宮財閥はその傘下に情報・IT系の企業をいくつも持っていて、中には「ノイズ」の活動に出資してくれている企業もある。それらを束ねる塚宮財閥は、僕らノイズにとっては親のようなものといってもいいかもね」
「今回はこちらの会長直々の命令……失礼、『お願い』で。所定の日時に集まれる、腕の立つオトダマ使いを集めてほしいと」
そして、塚宮ゴウゾウが『お願い』を提示してくる。
「わざわざご足労頂いて申し訳ないと思っている。緊急の要件だ」
「私の息子……いずれはこの財閥を次いでいく会長となる子だ……その子が、オトクイというものに襲われたそうでな」
「私もノイズから説明を聞いたばかりで……対処するには、『オトダマ使い』という特殊な人間によって、元凶の撃退を行うしか、打てる手はないと」
「あの子は大事な子だ……我が財閥にとっても、一人の父としてもな。彼を失うことは、この国の未来を傷付けることといってもいい」
「もともと、我々は広い目で見れば『ノイズ』の出資元
「それにあたって……なにぶん財閥としての体裁があるのでな。形式上のものだ。気にせず一筆書いてくれたまえ」
PCたちに、財閥のスタッフがPCに2枚ずつの書類とペンを渡す。
それは契約書だった。
(PCから契約書の内容に対して質問があった場合、塚宮ゴウゾウがそれに答える。
第2条:「どんな仕事であっても基本的なものだ。君たちはオトナシを助けるにあたって、いろいろなことを知るだろう。それは会社の重大なな機密であるかもしれないし、ユウジのプライベートな個人情報かもしれん。それらの一切を口外しないでほしいというだけだ」
第3条:「世間一般的な話だが、例えば30代会社員の平均年収に相当する金額だ。『財閥次代会長の命』『息子の命』の値段と見れば、決して高くもなかろう」
第4条:「君たちオトダマ使いによる救済が"絶対のものではない"とは聞き及んでいる。それに対して即座に賠償を求めるのは酷だ。それはしない。代わりと言っては何だが、その後ユウジに関して我々が動く場合、それに協力することだけ約束してほしい」)
(捺印に使う印鑑についてはノイズスタッフから「ここに来る前に全員手荷物を確認したはずだ」という旨の回答が聞ける。実際にPCのポケットなどに入っている)
PC全員がサインを終えたら、PCたちはノイズスタッフの案内で別の部屋に通される。
そこはベッドがひとつある個室で、ベッドには高校生くらいの男性が寝ている。
その男性はいくつもの医療器具や点滴に囲まれ、いかにも重病の患者といった装いだった。
彼が、オトナシとなった「塚宮 ユウジ」だとノイズスタッフから聞かされる。
また、オトクイに関する情報も部分的にノイズのスタッフから聞くことができる。
脅威をひとつ公開する。
オトナシである塚宮ユウジの体に触れることで、彼のココロダンジョンに突入することができる。
活力の決定、倹約判定、アプリの購入を行う。
◆ココロダンジョンについて
このシナリオの初期タイムは「6」。
間奏アクションを行うたびに、タイムを1消費する。
間奏アクションでは「休憩」「術式」「交流」を行える。
タイムが0になった場合、オトナシ化が完全に進行し、オトナシが死亡する。
□エリア01「塚宮の屋敷」
PCたちがココロダンジョンに侵入した時、そこに広がっていたのは豪華な屋敷のホールだった。
廊下が四方に伸びており、その中の一つはどうやら屋敷の外に通じているようだ。
PCたちが周囲を見渡しているとき、背後から突然声がかけられる。
その人物は、オトダマの「鏡音リン」を従えたオトダマ使いだった。
「やあ。こんなところで人と会うなんてね」
「驚かせてしまってすまないね。ボクも君たちと同じオトダマ使いさ。つまり、君たちの標的ではないってこと」
「ボクかい? 別に、名乗るほどのものじゃないさ。
……どうしてもというなら、『アルス』とでも呼んでくれ」
セリフサンプル:鏡音リン(アルスのオトダマ)
「……あんたたちも物好きね。こんな、いかにも訳ありのオトナシの中で出会うなんて」
「ま、アタシもまーくん(※注:アルスのこと)に付いてきただけだし。ヒトのこと言えないけど」
「このオトナシは、いわゆる財閥のおぼっちゃまさ。
こんな大物のオトナシ、救う価値はいくらでもあるだろう?」
「だからボクも、こっそりここに侵入してきた、ってだけさ。
君たちの邪魔はしない。ただし、このオトナシの処遇については早い者勝ちで頼むよ」
そう言い残し、アルスと名乗ったオトダマ使いはリンと共に姿を消す。
PCたちはこのエリアにいる間「屋敷を調べる」か「屋敷から出る」の行動をとることができる。
◆屋敷を調べた場合
屋敷の中を調べまわっているうち、ひとつだけ開いた扉をPCたちは発見する。
中は個室になっていて、椅子に塚宮ユウジが座っている。
どうやら、ここは塚宮ユウジの部屋のようだ。
塚宮ユウジにはどうやらPCたちの姿が見えていないようで、PCの行動には意も介さない。
だが、ユウジの中からはかすかにフレーズの気配がする。
どうにかしてそれを聞きとることはできないだろうか?
セリフサンプル:オトダマ
「オトナシ……ユウジの中から、わずかにですがフレーズが聞こえる気がします。
情報収集のためにも、ここはそのフレーズに耳を傾けてみてはいかがでしょう?」
▼クエスト「ユウジに残るフレーズを聴き取る」
判定:【日常】 必要成功度:1以上(3以上で追加フレーズあり)
このクエストに失敗した場合、タイムを1消費したのちに再挑戦できる。
達成:
PCたちはユウジの中から聴こえてきたフレーズを得る。
1以上達成時
フレーズ:
「XXXXXXXXXXXXXXXX」
おかしくなってしまうことをXXXXXXX?
記憶:
僕は生まれた時から「塚宮財閥の御曹司」でしかなかった。
その肩書があまりにも大きすぎて、誰も僕の「肩書」しか見ていなかった。
そして僕自身は……そんな大それた人生なんてごめんだった。
3以上達成時
フレーズ:
感情なんてもんはXXXXX無駄だってXXXXXX
「XXXXXXXXXX」
嗚呼、快不快も、XXXXXXX!
記憶:
「お前はこの塚宮財閥を担う人間だ。そんなことにうつつを抜かしている場合か」
それが親父の口癖だった。そう言って、僕の自由はどんどん奪われていった。
……僕はせめて、自分の人生を、自分で決める自由が欲しいだけなのに。
このクエストをはじめて成功度3以上で成功させたとき、得たフレーズによってオトナシに猶予が生まれる。
タイムを「2」獲得する。
いずれかの記憶を垣間見たのち、ユウジの身体から何かが床に落ちる。
それはレトロな見た目の「鍵」だった。
PCがそれを拾うと、PC達は「鍵」を手に入れる。
◆屋敷から出た場合
□エリア02「歪んだ廊下の先」
開けた空間に向けて伸びた床が曲がりくねり、重力の方向すらでたらめだ。
普通に歩くことすら困難な道を進むには、オトダマの助けが必要だ。
▼クエスト「歪んだ空間を進め」
判定:【霊力】 必要成功度:1以上
このクエストに失敗した場合、タイムを1消費したのちに再挑戦できる。
達成:
PCたちはオトダマの力を借り、ねじれて歪んだ道を進む。
先に進むにつれて、少しずつ異質な何かの気配と、ウタの気配が強くなる。
PCたちはフレーズを獲得する。
フレーズ:
何十何百何千何万何億人の中でさぁ、
XXXX埋もれてXXXXXXX
どうしてXXXXXXX?
記憶:
いつものように自宅の廊下を歩いているとき。
僕はその廊下の先が、空間ごとねじ曲がった奇妙な空間になっているのを見た。
嫌な予感はしたが……僕は好奇心を抑えきれずに足を踏み入れ、そこで『そいつ』に会った。
クエストを一度達成すると、このエリアからエリア01とエリア03に自由に行き来できるようになる。
□エリア03「扉」
PCたちが道を歩いていくと、その先には大きな扉がある。
扉は固く閉ざされ、力ずくで開けることはできない。
また、扉にはこれ見よがしに鍵穴が付いている。
(PCたちがエリア02「屋敷内部」で鍵を入手後)
PCが鍵を開けようと扉に近付いた時、PCたちの周囲に数体のオトクイがあらわれる。
人のシルエットを持つが影のように塗りつぶされ、時折言葉になりきらない呻きを発している。
オトクイたちはPCたちに突如襲い掛かる。
▼クエスト「オトクイたちを撃退せよ」
判定:【武勇】 必要成功度:2以上
達成:
オトクイたちの撃退に成功する。
はじけ飛んだオトクイが、ひとつの光る欠片のようなものを落とす。
その欠片はPCが触れると音と光を出して弾ける。聞こえた音によってフレーズを獲得する。
フレーズ:
お前らにXXX間違った踊り方をXXXXXXX
いっせーので捨てちまえ、XXXXXXX
記憶:
『そいつ』はオトクイとかいう化け物だった。曰く、僕の『命』とも言えるモノを喰らう存在。
僕には、そいつが神に見えて仕方なかった。親父の敷いたレールを外れるための、救いの神に。
……そのために、僕は自らの身を差し出して見せた。これが親父や、社会への、精いっぱいのあがきだと。
オトクイを蹴散らしたPCたちに、背後から拍手の音が聞こえてくる。
そこに立っていたのは、「アルス」と名乗ったオトダマ使いと、オトダマの鏡音リンだった。
「思ったよりやるようだね、オトダマ使い達」
アルスは先ほどPCが開けようとした扉の前に立つ。
「この扉の奥に、オトクイがいる。オトナシを襲った張本人だ。
そいつを倒せば、晴れてオトナシは……塚宮ユウジは救われる。
塚宮財閥は会長の息子を命の危機から取り戻して、めでたくハッピーエンドってわけだ。
……君たち、本当にそれでいいと思っているのかい?」
リンがその後に続く。
「オトナシ……塚宮ユウジは自分の意志でオトクイに自らの身を差し出した。
『会長の息子として安穏と過ごす』……その人生を、拒否するためにね。
その意思を踏み躙ってまでオトナシを救うことに、どれだけの価値があるか。
あなたたち、その意味がわかっているの?」
アルスが言う。
「……そこでだ。ボクからひとつ提案がある」
「オトナシの願いを叶えてやるために、君たちはボクに協力するんだ。
ここにいるオトクイを利用し、塚宮財閥を敵に回し、塚宮ユウジの『本当の自由』を手に入れる。
それが呑めないというなら……どうしてもオトクイを倒したいというなら……力ずくで君たちを止める」
「選ぶんだ。ボクに協力するか、ボクやオトクイに歯向かうか」
▼リクエスト「選ぶんだ。ボクに協力するか、ボクやオトクイに歯向かうか」
※PCで話し合って答えをひとつに決める。
◆アルスの提案を拒んだ場合
「……そうか。君たちはそういうやつなんだな」
オトダマのリンが手をかざすと、二本のナイフが具現化する。
「ボクたちに協力できないというのなら、君たちは邪魔でしかない。
悪いが、消えてもらう」
アルスはそれを手に、PCたちに襲い掛かってくる。
▼クエスト「戦闘 vs.アルス」
判定:【技術】 必要成功度:4以上
※このクエストに失敗すると強制退出になる。
達成:
アルスを撃退することに成功する。
「……なるほど。君たちの意思、身に染みたよ。
そこまでやるというのなら、……見せてもらう。君たちの戦いが、どんな結末を迎えるのかを、ね」
そう言い残し、アルスは姿を消す。
扉をくぐれば、決戦フェイズに移行できる。
◆アルスの提案を受け入れた場合
「……ボクに協力するということは、塚宮財閥を相手取って戦うということだ。
それも、まっとうな戦いじゃない。後で『やっぱりやめた』っていうのはなしだ。それでもいいんだね?」
PCの了承が取れたら、アルスのオトダマのリンが手をかざし「黒い鎖」を生成する。
そしてそれをPC全員に渡す。
「これはアタシのウタの力でできた、特殊な鎖。
弱らせたオトクイなら。これで動きを封じることができるわ」
アルスが説明する。
「君たちもオトナシの記憶で見ただろうが、ここのオトクイは特殊な力を持っている。
『空間を歪ませ、疑似的なココロスケープを作り出す』という、な。
こいつを利用しなければ、作戦は始まらない」
「まずはその鎖を使って、オトクイを捕まえるんだ。
いいかい。くれぐれもトドメを刺さないように頼むよ。
それまで、ボク達は次の準備をしておく」
「この作戦の初っ端は君たちにかかっている。頼んだよ」
PCたちは全員、このセッションの間『オトクイ捕縛の鎖』をナンバーとして習得する。
□決戦フェイズ
扉を開いた先にあったのは、雲の広がる天上の世界だった。
雲間にさす光の中から、何かが降りてくる。
鳥のような翼を持つ人型のオトクイだ。
セリフサンプル:オトクイ
「愚かしき人間よ。我の前に立つ無礼を赦そう」
「我にその身とウタを差し出す。これこそが彼にとっての救いだというのに」
「我に歯向かうというなら、容赦はせぬ。……召されよ!!」
□終了フェイズ
決戦フェイズまででPCがとった行動によって、戦闘終了以後の展開を変化させる。
・オトクイの生命力を0にした⇒「救出編」へ
・『オトクイ捕縛の鎖』でオトクイを捕らえた⇒「逃亡編」へ
◆救出編
PCの攻撃を受けたオトクイはまばゆい光に包まれ、少しずつその身を消滅させていく。
「愚かな……この我を、打ち破るなど……!」
そうして発される光の奔流に、PCたちの視界は吞まれていく。
次に目を覚ました時、PCたちは元の「塚宮ユウジ」のベッドの前にいた。
塚宮ユウジは眠りから覚めるように、ゆっくりと意識を取り戻す。
セリフサンプル:塚宮ゴウゾウ
「ユウジ! お前、目が覚めたのか……!
よかった、本当に……お前がいなくなってしまったらと……!」
「(PCたちに対して)君たちには本当に世話になった。
よく、彼を助けてくれたな。感謝してもしきれないくらいだ」
「無事、依頼を達成してくれたこと。感謝する。
戻ってきて早速だが、君たちに謝礼を渡すための手続きをしなければな。
なに、形式上のものだ。手短に済ませよう」
そうして、塚宮ゴウゾウとノイズスタッフに促され、PCたちは部屋を後にする。
最後に退出するPCのオトダマが、部屋を出る時不意にユウジの方に振り返る。
セリフサンプル:オトダマ
「(PCにどうしたのか聞かれた時)いえ、何でもありません」
「……気のせいでしょうか。
今、『どうして助けたんだ』って……」
◆逃亡編
PCは黒い鎖でオトクイをがんじがらめにし、捕縛することに成功する。
その瞬間、オトクイの背後の雲からアルスがオトクイに向けて飛び込み、オトクイを地面に向けて蹴飛ばす。
地に伏したオトクイを踏みつけ、アルスはオトクイを抑える。
セリフサンプル:オトクイ
「おのれ……忌まわしき羽虫どもめ。
よくもこんな真似を……!」
アルスはオトクイを抑えたまま、PCたちに言う。
「君たち、よくやってくれた。まずは作戦成立といったところか」
「ここからが本番だ。
誰かひとり、ココロフォンを出してくれ」
PCのうち誰かがココロフォンをアルスに渡すと、アルスはそれに細工をしてPCに返す。
「君のココロフォンと、ボクのを通話状態で繋げるよう加工した。
これで、『ココロダンジョンの中と外』であっても、通話状態を維持できる」
「君たちへの指示はこれで飛ばす。
このココロダンジョンを出たら、ボクの指示通りに動くんだ。いいね?」
PCたちはこれ以降、オトダマに頼むことでココロダンジョンを出ることができる。
出る前に、間奏アクションなどを行ってもよい。
ココロダンジョンを出ると、そこは元いた「塚宮ユウジ」のベッド前だった。
その後、ユウジがゆっくりと目を覚まし、次の瞬間、ユウジの身体を中心に数メートルほどの範囲で、大きく空間が歪む。
そこは、現実世界を侵食してできたココロスケープだった。
セリフサンプル:アルス
「(PC)、聞こえるか?
ボクの見立てが正しければ……そこには今、ココロスケープが生成されているはずだ」
「その空間の中では、ココロダンジョンと同じようにオトダマの力を行使できる。
力ずくでいい。そこからビルの外へ、塚宮ユウジを連れ出すんだ」
セリフサンプル:塚宮ユウジ
「……な、何が起こってるんだ……!?」
「(PCが呼びかけた場合)……お前たちについていけばいいのか?
わかったよ。よくわかんないけど、ついていけばいいんだろ」
異常事態に対応すべく、ビルの警備員たちが押し寄せてくる。
▼クエスト「警備員たちを蹴散らせ!」
判定:【武勇】 必要成功度:合計6以上
※このクエストには何度でも挑戦できる。
ただし、2回目以降はベース判定時、生命力を1D6点減少する必要がある。
達成:
PCたちは群がる警備員たちを蹴散らし、ビルの外まで脱出する。
その後、アルスの誘導によってビルから離れた場所に停めた車に乗り込む。
現実世界に戻ってきたアルスの運転によって、PCたちはその場を後にする。
その日の夜。
数時間ほど車を走らせてきた先は、隣県のはずれにある、とある児童養護施設の前だった。
車の後部座席で眠る『オトナシだった少年』を横目に、アルスは話す。
「これから彼は、ここで『塚宮財閥とは何の関係もない一般人』として、異なる人生を歩む。
それが、彼が財閥の運命から逃れる唯一の手段だ。少なくとも、ボクはそう考えている」
「彼がオトナシから回復するよう、会長がオトダマ使いを仕向けてくるとは思わなかったからさ。
ボクの計画にも人手が必要だったけど、それを準備する時間がなかった。
だからこそ、君たちが協力してくれたことは僥倖
「でも、同時に申し訳なくも思う。君たちは塚宮財閥との契約を反故
……『オトクイに操られて前後不覚になった。塚宮ユウジの捜索に協力する』。
そういう形で、後処理をしなければならないだろう」
「それができるだけ早く済むよう、最大限の協力はしよう。
君たちは『彼』の行方に関しては、知らぬ存ぜぬを突き通せばいい」
「そうしてできた彼の未来が、前より良いものになってくれれば。
ボクたちとして、それ以上のことはない」
どちらの結末においても、このシナリオをクリアした鏡音リンが自分のオトダマのPCは、
「悪魔の踊り方」が習得可能になる。
0 件のコメント:
コメントを投稿