2018年3月17日土曜日

初音ミクTRPG「ココロダンジョン」自作シナリオ『トリノコシティ』テキスト全文

初音ミクTRPG「ココロダンジョン」のセッション用に自作したシナリオ「トリノコシティ」のシナリオテキストを掲載してみる。
シナリオをお探しの方の利用はご自由にどうぞ。
(改変等もご自由に。利用については自己責任でお願いします。あと作者騙りはやめてくださいね)
※推奨人数はGM含め6名ちょうどです。

実際のプレイ時にはフレーズや脅威名に歌詞を引用するが、インターネット上の公開ではNGなのでその点はご容赦いただきたい。


他のシナリオはこちら
http://yualismemo.blogspot.com/2018/07/trpg.html


◆モチーフ曲
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11559163


http://www.nicovideo.jp/watch/sm21583930



★ポイントまとめ

PC同士の取れるコミュニケーションが限定されるという、およそTRPG的ではないギミックがあります。

・GMが取り扱う情報量がやや多く、マスタリングの難易度がやや高いシナリオです。

・PLひとりひとりの個人戦の比率が高いため、「PL全員がちゃんとセッションに協力的」というある意味当然の前提をやや強めに要求しています。

 

 

このシナリオはPC平均レベル2、PC5人を想定しています。



◆このココロダンジョンについて

このシナリオに登場するPCは、互いに面識がないものとすること。
事前にPLに「お互いに知り合いでないPCで参加してください」と告知しておく。

このシナリオでは、PC1人につき1枚「情報カード」を設定する。
特定の条件を満たした時、情報カードの裏面をPCに公開する。
(情報カードの枚数、表面の情報は常に公開されていて、誰でも見ることができる)


情報カード「静寂」を見たPCが、このココロダンジョンのオトナシとなる。
情報カード「閃光」を見たPCには、オトナシの名前を言い当ててもらうこととなる。
この2枚の設定については特に慎重に行うこと。

このシナリオで登場する情報カードに対して、「調査」を行うことはできない。
シナリオ上設定されたPCが、それぞれ特定の状態になったときにその裏面を見ることができる。
トリガーの条件を満たしていれば、その裏面を他のPC全員に公開することを宣言できる。

情報カード「静寂」を見るPCの持つナンバーひとつを選択し、
その効果をオトクイ向けにアレンジして脅威⑤の特殊効果にする。
(例:「黒のネイロを無効にする、減らす」→『黒のネイロを増やす、多いものとして判定する』
   「生命力を回復する」→『ダメージを与える』など)

PC全員が合流するまでは、1人ずつ描写やクエストを行なっていく。適宜場面を切り替える。
PCが個別に行動している間別のPCに対してハーモニーや介入、アプリの使用は行えない。
(チャットアプリを通じた意思疎通は可能)

このシナリオでは、「タイム」は個人所持となり、その初期数は「3」となる。
タイムはシナリオなどによって変動しない。また、0になった時の処理はない。
タイムを消費すると、「休憩」「術式」「交流」のいずれかが行える。
「交流」では、判定は行わず、好きな相手に【想い】を獲得できる。(タイムを消費したPCから、他のPCへの【想い】の取得)

PLのタイムの使い方によっては、『どうやっても獲得できないフレーズ』が発生することがあるため、
タイムの使用については慎重に行うようPLに説明すること。

特定の条件(情報カード「慈愛」の公開)が満たされていれば、
PCたちはいつでも決戦フェイズを行うことを宣言できる。



 □導入フェイズ

PCたちは人々の交差する街中で、各々休日をひとりで過ごしていた。
ふと周囲を見ると、その風景が夜の街へと変化していた。
PCたちは全員ココロダンジョンの中で、互いに別々の場所にいた。
(PC全員は、自分とそのオトダマ以外の姿を視認できない)
その時、PCたちの持つスマートフォンが振動し、見慣れないアプリがインストールされていることに気付く。
それはPCたちが会話できるチャットツールだった。
姿の見えないオトダマ使い同士で協力しながら、PCたちはこのココロダンジョンの探索を始める。
活力の決定、倹約判定、アプリの購入を行う。

(以下、エリアA・B・Cについては順番を入れ替えても構わない)

 □エリアA(情報カード「静寂」)

PCの目の前に、いくつかのウィンドウが浮かび上がる。
その中にはいくつもの文字が流れているが、そのままでは読めそうもない。
(オトダマが「これ、オトナシの記憶の一部かもしれません」と教えてくれる)
PCがウィンドウを調べることを宣言したら、クエストに挑戦できる。

  ▼クエスト「オトナシの記憶を探ろう」

判定:【愛】 必要成功度:1以上

達成:
その時、ウィンドウの文字が反応し光りだす。
ウィンドウを流れる文字が映像となって、音声が流れだす。
PCはフレーズを獲得する。記憶を垣間見る。
脅威を公開する。
クエストを行ったPCは、情報カード「静寂」の裏面を見る。


フレーズ:
ワタシのXXは XXXX?

記憶:
オトナシは、ある時から孤独だった。
そのきっかけが何なのか、いつからそうなったのか、なぜか思い出せない。


 □エリアB(情報カード「慈愛」)

辺りには少しずつ、悪寒のするノイズが響いていた。
居心地の悪い音色を打ち払うことができるかもしれない。

  ▼クエスト「絶望のウタを打ち消そう」

判定:【日常】 必要成功度:1以上

達成:
絶望のウタを、オトダマと協力して打ち払う。
周囲に響いていた音は、少しずつメロディへと変化していく。
フレーズを獲得する。記憶を垣間見る。
脅威を公開する。

フレーズ:
色のないXX XXXた世界

記憶:
地面に倒れているオトナシの記憶。
自分がなぜここにいるのか、なぜ倒れているのか、そのことをオトナシ本人は覚えていない。


 □エリアC(情報カード「光明」)

PCのオトダマが、ある提案をしてくる。
「このココロダンジョン、あまり広くはないようですね。
 辺りに人の姿はないようですが、ウタを響かせれば人の気配が分かるかもしれません」
PCが提案に乗った場合、クエストに挑戦できる。

  ▼クエスト「ウタの響きで気配を探せ」

判定:【霊力】 必要成功度:1以上

達成:
PCとオトダマのウタが辺りに響く。
(そのウタは、他のPCたちにも聞こえる)
その時、オトダマが、PCにこう告げる。
「ひとつ、わかったことがあります」
クエストを行ったPCは、情報カード「光明」の裏面を見る。

 □エリアD(情報カード「機微」)

PCはその時、近くを誰かがすれ違うような錯覚を覚える。
間違いなく、この近くには誰かがいる。
にもかかわらずそれを認識できないのはなぜだろう?

  ▼クエスト「いるのにいない人影の理由」

判定:【頭脳】 必要成功度:1以上

達成:
クエストを行ったPCは、情報カード「機微」の裏面を見る。

PCがそれを公開したとき、PC全員が「他のPCに対して【想い】を取得している」なら、
PCの視界が真っ白な光に包まれる。
音楽が流れだし、フレーズを獲得する。
記憶を垣間見る。脅威を公開する。

フレーズ:
XXが止まりそうな XXX

記憶:
気付けば目の前に、黒い影のような怪物がいた。
オトナシはそれを撃退しようと試みるが、直後に意識が途絶える。

光が収まったとき、周囲に他のPCたちがいた。

(全員が合流したとき、情報カード「閃光」の裏面を設定したPCに見せる。)

◆情報カード「静寂」を見たPCが誰かと互いに思いを獲得した

不意に、PCたちの体が緩やかに明滅する。
暖かな光に包まれ、どこからかメロディが聞こえてくる。
フレーズを獲得し、記憶を垣間見る。
脅威を公開する。

フレーズ:
1人じゃXXXX 傍にXXXXくて

記憶:
スマートフォンに文字を打ち込んでいる記憶。
何かを訴えようと文字を並べるが、その後迷ったようにそれを消し、また打ち込むことを繰り返す。


◆情報カード「閃光」を見たPCがオトナシの名前を正しく宣言した

オトナシの体が光りだし、その内側からメロディが流れ出す。
フレーズを獲得し、記憶を垣間見る。

フレーズ:
行く宛をXXX 現在地

記憶:
休日を過ごすオトナシの記憶。
突然、その視界が黒い影に覆われた。
気付くと、自分はココロダンジョンの中にいた。自分がオトナシだったことも忘れて。

 □決戦フェイズを開始する場合

突如、オトナシの体を影が覆う。
オトクイはずっと、オトナシのココロの中に潜んでいたのだ。
オトクイは他のオトダマ使いもろとも、そのココロのウタを喰らわんと襲い掛かる。
(この戦闘には、オトナシとなったPCは参加しない)
(例)


 □終了フェイズ

オトクイはPCたちによって撃破され、揮発して消滅する。
影に飲み込まれたオトナシが、その中から姿を現す。
ココロダンジョンが少しずつ明るくなっていき、現実世界へ帰還しようとする。




このシナリオをクリアした初音ミクが自分のオトダマのPCは、
「トリノコシティ【リメイク】」が習得可能になる。

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